ホーム | コラム | 樹海 | どうか手綱は緩めずに

どうか手綱は緩めずに

 2月に雨が降り始めた頃、近くのスーパーで列をなしていた婦人が「雨も降り始めたんだから、これまで以上に水が使えるわ」というのを聞いた▼確かに2~3月は平年以上の雨が降り、カンタレイラ水系での1~3月の降水量は14年3~12月の降水量を上回ったが、件の婦人はカンタレイラの貯水率は期待したほど回復していない事を知るや否や。14年3月27日の時点でのカンタレイラ水系の貯水率は〃未開の水域〃を計算に入れずに14%だったが、1年後の3月27日は〃未開の水域第2弾〃までを入れて18・4%▼この数字を昨年3月の基準で見るとマイナス10・8%で、昨年同日の43%弱しかない。30日朝の同水系の貯水率は18・9%となり、一応、3月1日、2日の5%より14%ポイント近く上がった。3月最後の雨も加われば今少し水位上昇を見そうだが、秋に入れば降水量が減るのは誰もが知るところだ▼サンパウロ州水道公社(サベスピ)は、カンタレイラ水系と他水系を繋ぐ工事も進行中だから、現在の貯水量なら乾期となる4~9月も「計画断水」なしで乗り切れると見ているようだが、現状は昨年より悪い事や、昨年の9~12月は期待したほど雨が降らなかった事などを考えれば、当面は「節水」の言葉は忘れてはなるまい▼貯水槽もなく、断水に泣く低所得世帯にサベスピが貯水槽を配ったが、貯水槽を置く場所もないという笑えない話もあったが、TVなどで紹介された、洗面台の下の管をバケツに繋いで溜めた水をトイレを流すのに使い始めた人や、野菜を洗った水で床を洗い始めたパン屋など、折角始めた工夫は、是非とも継続して欲しいところだ。 (み)