国外就労者情報援護センター(CIATE、二宮正人理事長)専務理事の大嶽達哉氏(46、愛知)が離伯前日の24日、帰国あいさつのため本社を訪れた。海外日系人協会の嘱託として12年4月から赴任し、就労支援、帰国者対応業務に当たった。
3年間を振り返り、「09年リーマンショックの帰国ブームの終わりごろから着任した。10年、11年は年間1万人以上の帰国者がいたが、12年も同様に多かった。任期中に下げ止まりしたことが印象的だった」と語った。
デカセギに関しては「ブーム時代に比べ賃金が減り、魅力は薄まっている。大幅に増えることはないだろう」との見方を示し、帰伯者が多いことから「ブラジルに帰ってきた若者、デカセギ子弟らが、日伯をつなぐ優秀な人材になるのでは」との期待も口にした。
「生死をかけて開拓した人々にあこがれる気持ちもあって、赴任した」という大嶽さんは、弓場農場など各地のコロニアも積極的に訪れた。「教科書に載っていない移民史に触れることができた。一世の思いを受け継いだ後世が、伯社会に溶け込む様が見られたことも良かった」と喜びを語った。
今後は本業の弁護士として日伯関係の深化に協力したい意向。「17万人ほどいる在日ブラジル人の法律相談に応じたい。ブラジル事務所を開いて、こちらの日系人が抱える様々な案件にも対応できたら」と抱負を語った。