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新たな疑惑が掛けられたラヴァ・ジャットのネストル・セルヴェロー被告(Wilson Dias/Agência Brasil)
新たな疑惑が掛けられたラヴァ・ジャットのネストル・セルヴェロー被告(Wilson Dias/Agência Brasil)

CARF=新たな大型汚職事件発生=税務裁判での便宜求め贈収賄=大手の銀行や企業絡む=セルヴェローも疑惑の1人

 3月26日より、連邦警察の「ゼロテス作戦」がはじまり、財務省傘下の税務監理審議会(CARF)内部で行われていた贈収賄工作の摘発が進んでいる。この工作には大手銀行や大企業が数多く絡んでおり、被害総額は190億レアルに及ぶと予想されている。3月28日付伯字紙などが報じている。

 CARFは「連邦歳入局の高等裁判所」とも言うべき機関で、贈収賄工作は、企業が抱えた負債に関する裁判を有利にすることや、裁判の進捗状況を確認し、分割払いできるようにするなどの恩典を求めて行われたものと見られている。
 たとえば、通信系大手のRBS社は6億7200万レアルに上る負債を1億5千万レアル減額してもらうため、CARFに1500万レアルを支払ったとされている。贈収賄工作は負債額の1~10%をめどに行われていたと予想されている。
 こうした工作にはCARF内部の人間も絡んでいたとされ、CARF元監査人のジョゼ・リカルド・ダ・シウヴァ氏やその姉妹で現CARF監査人のエイヴァニセ氏ら24人と、弁護士やコンサルタント関係の事務所15軒も疑惑の対象として名前があがっている。
 3月26日に行われた捜査では41件の捜査令状を受け取った連邦警察が、ブラジリア、サンパウロ州、セアラー州の3地区で捜査を行った。その日だけで連警はブラジリアで180万レアルと16台の高級車を押収した。そのうちの80万レアルはCARF元監査人のレオナルド・マンザン氏の自宅からのものだという。またサンパウロ州では24万レアルと高級車10台、セアラー州でも高級車2台が押収された。
 贈収賄工作への関与が疑われている企業には、サンタンデールやブラデスコ、サフラといった銀行やフォード、三菱などの自動車メーカー、BRフーズやゲルダウといった大手企業の名前があげられている。これらの贈収賄工作によって国が受けた損害は190億レアルと見られている。
 さらに、疑惑の企業のリストにはペトロブラスも入っており、ラヴァ・ジャット作戦で逮捕された同公社元国際部長のネストル・セルヴェロー被告も関与が疑われている。同氏はBRディストリブイドーラの理事だった2010年に、CARF側の疑惑の人物の1人のエジソン・ペレイラ・ロドリゲス氏と交わしたメールなどに名前が出てきたりしている。