サンパウロ市では今年既に19台のバスが焼き討ちされた事を受け、焼き討ちが頻発している地区のバスに私服警官が同乗する事になった。
19台中13台が焼き討ちに遭ったカッポン・レドンド、ジャルジン・アンジェラ、グラジャウーといった地区のバスでスパイ役を務めるのは軍警の私服警官だ。この計画には機動隊や巡回機動隊(Rota)、交通警邏隊(BT‐Tran)のメンバー200人も参加して幹線道路などのパトロールの強化や、違法運行のバスの取り締まりなどを行う。私服警官から連絡が入った際の業務も各隊が分担する予定だ。
サンパウロ交通機関公社(SPTrans)が最も危険とみなしているのは、6台のバスが襲われたグラジャウーで、1月5日には一度に5台が焼き討ちされた。
軍警は、同市南部の麻薬密売拠点の取り締まりを強化した後にバス襲撃事件が増えた事を重視し、麻薬密売組織の取締りも強化する意向だ。また、バス会社の車庫や運転手、車掌の協力を得、いつもより大勢の人が停留所付近に集まっているなどの不審な動きに気づいた時は停まらずにやり過ごし、後続のバスにもその情報を流すといった情報網の構築も手がける予定だという。
軍警はこういった対策で同市南部でのバス焼き討ちがゼロになる事を願っている。同市市役所によると、2014年のバス焼き討ちは132件で、2013年の65件と比べて倍増していた。(3月31日付エスタード紙より)