言葉の意味
被告人が自分の関わった犯罪についての内容、仕組みを詳細に告白、説明し、裁判所はその内容に応じて被告の刑の減免をすること。ブラジルでは「報償つき陳述」とか言いますが、いわゆる「司法取引」の一種です。
聞きなれない言葉でしたが、昨年半ば以降、マスコミで頻繁に現れます。ペトロブラス幹部のパウロ・コスタ被告や不正取引の仲介人アルベルト・ユセフ被告らがこの司法取引を選択し、驚きの供述を続々としていることがマスコミに漏洩し、有名になりました。ちなみに日本では司法取引は認められておらず、閣議や国会でいま検討中です。
多くの有名企業やその幹部が関与する今回のペトロロンのような場合、当初捜査は難航しました。でもこの司法取引は、愛社精神より自己保身を優先する人にほど恩恵があるので、汚職体質のある人から供述を引き出すには実に効果のある方法だったらしく、多くの贈収賄や不正送金などが続々と解明され役立っています。
被告側も陳述をすると、不自由な留置所から気ままな自宅服務(PRISAO DOMICILIAR)となり、家族と過ごせますからこれを選ぶ人が増えているようです。既に司法取引合意者は15件となっています。同じ様な〃取引〃を企業が行う場合はLENIENCIAと言う方式があります。
ところで上記ユセフが31日更に、政権側のPT党の『金庫番』ザッカリに現金80万レアルを渡したと〃取引供述〃しました。「このワイロ提供者は東芝だ」と爆弾発言したため、騒ぎが大きくなりそうです。
もちろんザッカリは全面否定していますが、いよいよ日系企業が名指しにされてきたところで、『東芝』の反応と合わせ、今後の展開にさらに注目が集まりそうです。国が違えば、犯罪捜査や裁判も有効な方法や考え方も変るものですね。(駒形)