【既報関連】サンパウロ州水道公社(Sabesp)が今年度の下水道関係の投資を昨年比55%減額する一方、水道代を13・8%値上げする意向と1日付エスタード紙や各紙サイトが報じた。
3月26日発表の14年の決算報告によると、同公社の収益は前年比53%減った。これは、計画断水回避のために節水者の水道代を割引した事や水道減圧などに伴う減収と、未開の水域からの取水や水の供給量確保のための緊急工事などによる支出増が原因だ。
財政悪化は今年度の事業計画にも影響を及ぼし、3月1~21日の収支報告がされた3月31日、今年の投資は昨年比26%減の24億レアルと発表された。同公社の投資は水の供給確保のためと下水の回収や浄化のための二つに大別され、水の供給確保のための投資は昨年比16%増の15億レアルとするが、下水関係の投資は55・7%減の8億4300万レアルとなる。
同公社では、15、16年は、ビリングス湖の水をアウト・チエテ水系に引く工事と、南パライバ川の水をカンタレイラ水系に引く工事など、水の供給確保を優先する必要があるが、17年からは下水関係の投資も徐々に増やすという。
なお、3月1~21日の収支報告によると、大サンパウロ市圏の消費者の82%は節水によるボーナスの恩恵に預かったが、使用量が増えた消費者も18%いたという。
同公社は水不足に伴う財政悪化を理由に水道代の特別調整を申請し、13・8%調整の許可を得た。調整幅は15日の公聴会後に決まるが、昨年末にも6・5%調整された直後だけに消費者には厳しい措置となる。
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