ジウマ大統領は6日、議会で対立する民主運動党(PMDB)対策も兼ねたアルチクラソン(政局調整)の要として、エリゼウ・パジーリャ民間航空局長官(PMDB)に大統領府政局調整担当長官への就任依頼を行った。7日付伯字紙が報じている。
自身への支持率急落に加え、レナン・カリェイリョス上院議長、エドゥアルド・クーニャ下院議長(共にPMDB)率いる上院、下院の反対にあい、財政調整案を通せずにいるジウマ大統領は、打開策としてパジーリャ氏に、調整失敗の責任を問われていたペペ・ヴァルガス氏(労働者党・PT)に代わる調整長官の後任役を依頼した。
この依頼に関し、パジーリャ氏に近い筋のPMDB党員は「(パジーリャ氏は)引き受けるかも知れないが、党全体の支持を受ける必要があると考えているようだ」と語っている。
パジーリャ氏は既に3月にジルベルト・カサビ都市相(社会民主党・PSD)らと共にアルチクラソン入りしていたが、これまではPTで通してきた調整長官を譲るとなれば、政府が連立与党により開かれた姿勢を見せることを意味する。
ジウマ大統領は、カルドーゾ政権下で運輸相(1997~01)をつとめてきた実績を評価したと語っているが、今回の人事を推したのはルーラ前大統領だと言われている。ルーラ氏は12日に行われる2度目の反ジウマ・デモで支持率がさらに落ちることを恐れており、連邦政府の円滑な運営のためにもPMDBを政府の意思決定役に加えるべきだとかねてから主張してきていた。
だが、現時点でのPMDB側の反応は生ぬるいままだ。クーニャ下院議長は「この選択を行ったところで、我々と政府の関係は変わらない」と語った。
クーニャ氏の発言の背景には、同議長が調整長官の後任として前下院議長のエンリケ・アウヴェス氏(PMDB)を求めていたことがある。アウヴェス氏の人事は、政府と議会のあいだに緊張を生じさせている理由のひとつだ。ジウマ大統領は当初、アウヴェス氏をヴィニシウス・ラジェス氏(PMDB)に代わる観光相に据えようとしたが、これはラジェス氏とはアラゴアス州の盟友であるレナン議長を怒らせた。パジーリャ氏が動けば、大統領はラジェス氏をその後任に据えることができる。
レナン議長とクーニャ議長は、自分たちがラヴァ・ジャット作戦の捜査対象となったことを、連邦政府が連邦警察屋検察庁と手を組んだために起きたとして、政府への不快感を抱いている。
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