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ミシェル・テメル副大統領(Marcelo Camargo/Agência Brasil)
ミシェル・テメル副大統領(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

調整局長=テメル副大統領が兼任へ=パジーリャ氏の拒否により=議会上下院長の反応は?=「PMDB内で力なし」とも

 【既報関連】ジウマ大統領は7日、政局調整(アルチクラソン)の中心となる、大統領府政局調整長官の役目をミシェル・テメル副大統領(民主運動党・PMDB)の兼務とすることを決めた。同大統領は6日、エリゼウ・パジーリャ民間航空局長(PMDB)に同職就任を打診したが7日に断られていた。8日付伯字紙が報じている。

 8日付本紙で報じたように、ジウマ大統領はパジーリャ氏に、ペペ・ヴァルガス氏(労働者党・PT)に代わる調整長官就任を要請していた。だが、パジーリャ氏は「個人的な理由」をもとにこの依頼を断った。だが、真相はレナン・カリェイロス上院議長とエドゥアルド・クーニャ下院議長(共にPMDB)の強い反対があったからだと言われている。
 そこでジウマ大統領は、上下両院議長の所属政党党首でもあるテメル副大統領に調整役をまかせることとなった。
 これに関しアロイージオ・メルカダンテ官房長官は、テメル氏は、「ジウマ大統領の政策に忠誠を尽くす人物」で「彼に勝る器はいない」と賛辞を送った。
 一方、レナン、クーニャ両議長は共にジウマ大統領の決断を尊重する発言をしたが、両者の対応には温度差があった。
 クーニャ氏は「これが議会の独立性を覆すことはない」と言い切った。同氏はエンリケ・アウヴェス前下院議長の長官就任を望んでいた。
 一方のレナン議長は、「今、PMDBからこの役を選ぶとしたら、これ以上適切な人物はいない」と語った。この人事は、かねてから「大臣数の削減」を訴えてきたレナン氏にとって好都合の人事でもあった。この人事の結果、大臣数は39から38に減った。
 だが、この人事に関するPMDB側の反応は必ずしも温かいものではない。同党ではパジーリャ氏が指名された時点から「名目上の役職が増えるだけで、影響力は持てないだろう」との見方があったが、テメル氏の兼任に関しても、党内の勢力は3分しており「テメル氏の影響力は落ちている」「議会との交渉は難航するだろう」と見る向きが目立っている。
 一方、ペペ氏は、郵便局総裁候補に挙がっているイデーリ・サウヴァッチ氏の後任として、大統領府人権問題局長に異動となりそうだ。ペペ氏はパジーリャ氏に調整長官の依頼が行われたことを漏れ聞き、事前の相談がなかったことを不服として7日に予定されていた連立与党リーダーとの会合をキャンセル、ジウマ大統領と会談の上、辞表も提出している。