先月15日のサンパウロ市パウリスタ大通り100万人デモに続き、この12日に第2回が行なわれ、軍警発表で27万5千人が参加した。規模は3分の1になったが、引き続き日系人参加者があちこちに見られた。
アサカワ・トゥシュ・オズワルドさん(56、二世)=サンパウロ市南部在住=は、「より良いブラジルのために、素晴らしい未来を子や孫に残す道を探るこの運動に参加できて胸を張りたい気分だ。罰されることのない犯罪が野放しの状態で苦しんでいるブラジル国民、何十万人もが手に黄緑旗をもって、平和的で、どの政党とも関係のないこの抗議運動に整然と参加していることも、とても誇りに感じられる」と語った。
娘と一緒に来たセリアさん(苗字匿名希望、79、二世)=サンパウロ市ビラ・マリアナ在住=は「労働者党はもういや。余りに汚職が多すぎて、このままではブラジルが沈没してしまう。政治を変えないといけない!」ときっぱりと言い切った。
「私たちはここに座っているけど、娘はプラカードを持って先に行っているわ」と頼もしそうに、MASPの方を指差した。多くの日系人同様、ずっとPSDBに投票してきたという。
セリアさんに誘われて参加した友人の森信子さん(76、二世)も「初めて参加したけど、今のままではブラジルはダメになる気がする。何か行動をしなければ、と思ってきた」と語気を強めた。
前回に引き続きて参加した佐野シルビオさん(64、二世)は、ブラジル・リブレ運動の指導者の一人、カタギリ・キムさん(19)にわざわざ会いに行った。
「彼はとても目立つ存在。日系であるだけでなく19歳と若い。いわゆる日系人的な態度、内省的で引っ込み思案な態度とはまさに正反対。カタギリはこの運動に16歳で入り、ブラジルや他の国の政治史にも通じている。ジェン・ウィリス下議(49)から『政治的文盲』と批判され、『オレに知的な拳骨を食らわせてみろ!』と言い返し、いまだにその下議から返事はない。きっと、今後もないに違いない」と賞賛した。