リオ市北部で9日夜、高速バスの運転手が、扉に腕を挟まれた6歳の女児を車外に宙吊りにしたまま次の駅まで走り、駅に着いた途端逃げ出すという事件が起きたと11日付伯字紙が報じた。
ジェニフェルちゃんはこの日、叔母や祖母ら大人3人の引率で、他の子供達4人と一緒に映画を見に行くところだった。
母親のジェッシカ・フロレンシオさん(23)によれば、プラットホームとの間の溝を飛び越えられるよう、祖母がジェニフェルちゃんとそのいとこの手を握って下りさせようとした時、運転手が扉を閉めてバスを発車させたため、ジェニフェルちゃんは片腕が挟まれて車外に宙吊りになったまま、10分間、5キロの道を運ばれるという恐怖の経験をした。祖母達が「停めて!」と叫んだため、乗客も一斉に叫び出したが、運転手は「次の駅まで停められない」と言って走り続けた。
「助けて」と叫び続けていた少女は目立った外傷もなく救助されたが、扉に挟まれたまま体重を支えていた腕は赤く腫れ上がり、母親に「痛い」と訴えていたという。
ジェッシカさんは「バスが走っている間、母が娘の手を握っていてくれたから助かったけど、運転手は皆の声を聞いたのに次の駅まで行ってしまった。その間皆がどんな気持ちで過ごした事か」と胸中を吐露した。
乗客がいきり立つのに気づいた運転手は、次の駅に着くと急ブレーキをかけてバスを停め、カバンを取ると、少女を助けもせずに他のバスに乗り込んで逃げたという。
警察は業務上過失傷害として被害届けを受理。運転手は深夜になって出頭し、事情聴取後、釈放されたが、翌朝、解雇された。