14日に世界貿易機関(WTO)が発表した報告書によると、2014年のブラジルの輸出額は前年比マイナス7%で、世界の主要輸出国30カ国中で最大の下げ幅を記録したと15日付伯字各紙が報じている。
この結果、ブラジルは輸出高による順位を三つ下げ、25位となった。これは04年以来の最低順位となる。輸出高の減少により、世界総輸出額に占めるブラジルの割合は1・3%から1・2%に減少した。ブラジルの国内総生産(GDP)は世界第7位だが、14年の輸出額では、国内総生産でブラジルを下回るマレーシア(35位)、タイ(32位)、スイス(20位)に抜かれた。
14年の場合、ブラジルは主要輸出相手国である中国への輸出額を11%減額させた。中国の経済成長率は14年が7・4%で、今年第1四半期も前年同期比7%増と6年ぶりの低い伸び率となっている。この影響は14年の同国の輸入額が11・8%減額という数字にも表れ、ブラジルなど、中国を主な貿易相手国とする国は一様に、輸出が頭打ちとなった。
ブラジル政府は、自国の輸出が低調な原因は世界的な経済不振としているが、世界平均の輸出総額は前年比プラス1%を記録している。
14年のブラジルの輸入総額は、2000年以来初めて輸出総額を上回り、貿易赤字はほぼ40億ドルに上った。自動車を始めとする工業製品の輸出が減少したことに加え、主要輸出品の鉄鉱石や大豆、石油、砂糖、豆かすなどのコモディティ価格の低下に苦しんだ。
「14年のブラジルは他の南米諸国と同様に、コモディティ価格の下落に苦しんでおり、この傾向はしばらく続くと予想される」とWTOのブラジル人局長ロベルト・アゼベード氏は語った。
15、16年の南米経済は、15年0・2%、16年1・6%と、世界最低水準の成長しか見込まれていない。ブラジルの低迷は南米全体の低成長の主な要因となっている。この間の世界の経済成長率は今年3・3%、来年4%と予想されている。