ラヴァ・ジャット作戦で逮捕された労働者党(PT)中央会計のジョアン・ヴァカリ・ネット被告の義姉で、同作戦の重要人物の1人とみなされているマリッセ・コレア・デ・リマ容疑者が23日に釈放された。同容疑者逮捕の決め手となったのは、ヴァカリ氏の妻のジゼウダ・デ・リマ氏の銀行口座に出所不明な金を入金している映像だったが、その女性がジゼウダ氏本人の可能性が強まったためだ。24日付伯字紙が報じている。
マリッセ氏はヴァカリ氏の収賄行為を助けたとして、ヴァカリ氏同様、15日に逮捕状が出ていた。所在不明で一時は逃亡とみなされたが、17日にみずから連邦警察に出頭した。
本人は連邦警察に「ジゼウダの口座に金を振込んだことはない」と供述したが、検察が嘘をついたと訴えたため、同作戦の裁判を担当するパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事が21日に拘留期間を5日間延長する判断も下していた。
マリッセ氏は昨年11月、OAS社が支払った多額の賄賂を同作戦の主犯者であるアルベルト・ユセフ被告から受け取っていた疑いで連邦警察に連行され、事情聴取を受けている。同氏に関しては、OASより20万レアルで購入した不動産を同社に43万2千レアルで売り戻したことも確認済みで、マネー・ロンダリングも疑われている。
加えて今年3月には、ユセフ被告自身が2012年にマリッセ氏がサンパウロ市で、同被告からヴァカリ氏への賄賂80万レアルを受け取る役をつとめたと語っている。
また、マリッセ氏はジゼウダ氏の口座に賄賂を振り込んだ疑惑も持たれていた。ジゼウダ氏の口座には、2008年から15年のあいだに出所不明の振込みが総額58万3千レアル存在する。
検察庁は「マリッセ氏がジゼウダ氏に送金していた証拠」として、今年3月2日にイタウ銀行の監視カメラに映っていた入金中の女性の映像を提出し、マリッセ氏の供述は嘘だとして拘留期間延長を申し入れた。だが、この女性がジゼウダ氏との見方が強まり、モロ判事が23日にマリッセ氏の釈放を言い渡した。
マリッセ氏とジゼウダ氏は外見上の特徴がよく似ており、肉眼での判別はかなり難しいが、ジゼウダ氏が「あの映像の人物は自分だ」と申し出た上、空港のモニター業務などを担当する会社が米国の情報機関も使用する方法で鑑定したところ、ジゼウダ氏に近いという結果も出た。
マリッセ氏は中央労組(CUT)と関係の深い米州労働組合連盟の財政コーディネーターをつとめており、メンサロン事件が起きた2005年にはPT党本部の役員として、コテミナスに100万レアルを払っている。