連邦警察のラヴァ・ジャット作戦(LJ)でペトロブラス(PB)などを巡る汚職摘発が続く中、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)が、日本の多国籍企業の三井グループ(以下、三井G)からの賄賂が滞ったため、支払うよう圧力をかけていた疑惑が再浮上と28、29日付フォーリャ紙やグローボ紙サイトなどが報じた。
クーニャ氏がPMDBへの賄賂の動きに関与していた疑惑は、11年8月に提出された連邦会計検査院(TCU)と鉱山動力省への調査依頼書の作成者欄に同氏の名前が入っていた事が明らかになって再浮上した。
二つの文書は下院情報センターが保管しており、作成者欄に同氏の名前、文書にはソランジェ・アウメイダ元下議(PMDB、現リオ州リオ・ボニト市長)と下院監査委員会元委員長のセルジオ・ブリット下議(社会民主党・PSD)の署名が入っている。
3月8日付グローボ紙サイトによれば、三井GとPB間の契約の内容の調査依頼書は、3月6日夜公開された闇ブローカーのアルベルト・ユセフ氏の報奨付の供述内容と合致する。供述によれば、クーニャ氏は三井Gが払う賄賂が滞った後、下院の委員会にPBと三井G、同社が共同出資しているトーヨー・セタルや同社役員のジュリオ・カマルゴ氏並びにSamsungとの関係調査を要請し、圧力をかけた。
三井GはPBが使う石油採掘船に関する契約を結んでおり、契約にはPB国際部元理事のネストル・セルヴェロ被告と供給部元理事のパウロ・コスタ被告らが関与。国際部を巡る契約による賄賂はPMDBに流れており、コスタ被告は同党の支援で供給部に留まる事になって以来、同党への賄賂の動きにも関与するようになった。
ユセフ被告の供述内容は、14年11月にジュリオ・カマルゴ氏が行った報奨付供述とも合致する。カマルゴ氏は05年、PBがアフリカ沖とメキシコ湾で使う石油採掘船売却交渉の際、PMDB絡みのロビー活動を行っていたフェルナンド・ソアレス氏に仲介を依頼した。セルヴェロ被告との会談時にはPB国際部課長やSamsung副社長、ブラジル三井の課長も同席したと供述していた。
クーニャ議長は自分の執務室のコンピューターで作成されたために作成者欄に自分の名前が記載されたのだろうとした上、そのような調査依頼は行っていないと弁明。28日には、下院情報センターの責任者を解雇した。
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