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自動車業界=プロモーションも奏功せず=4月の販売25%減少=状況は更に厳しいものに=多国籍企業の足引っ張る

 全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の5日の発表によれば、4月の自動車販売台数は21万9350台で、29万3229台だった昨年同月より25・1%少なく、3月比でも6・53%減で終わったと5日付G1サイトなどが報じた。
 
 5日に発表された数字は乗用車と軽商用車、トラック、バスを合計したもので、今年始めの4カ月間の累計は89万3752台となった。昨年1~4月の累計は110万5940台だったから、昨年同期比で19・9%減となる。
 4月30日付エスタード紙では4月27日時点での累積販売台数は昨年同期比19%減と報じていた事を考えると、自動車販売のペースは更に落ちる傾向にあるといえそうだ。
 販売減少傾向はバイクでも見られ、4月のバイク販売数10万8158台は、昨年同月比11・17%減、3月比では13・13%減だ。今年の累積で見た実績は、昨年同期比10・68%減だという。バイク込みの4月の販売台数32万7508台は、30万7589台だった2007年4月以降で最悪となった。
 同連盟では今年の自動車販売は昨年比13%と見ているが、販売店の中には15~20%減と予想しているところもあるという。
 今年の自動車販売が落ち込んでいるのは、工業製品税(IPI)の減税措置が終わった事や経済基本金利の引き上げ、融資枠の縮小などの要因と景気の先行き不安感などが重なったものだ。
 自動車販売店は今年、IPI引き上げ分割り引きなどのプロモーションも行ったが、現状は厳しい。5日付エスタード紙によれば、ジェネラル・モーターズ(GM)のジャイメ・アウディラ社長は、現在のブラジルには減税措置などの打開策もなく、「業界を取り巻く状況は(国際的な金融危機勃発の)2008年より悪い」としている。
 また、4日付エスタード紙によれば、景気不振や銀行の融資枠縮小その他で企業向けの融資も大幅に縮小しており、自動車業界を含む全業種にとり巻き返しを図るのが困難な状況が続きそうだ。
 販売台数の減少や在庫の増加で自動車製造会社は、フォルクスワーゲンが約8千人に10日間の集団休暇を与えたのを始め、GMも819人がレイオフなど、生産調整の動きが続いている。
 4月29日付エスタード紙によれば、ブラジルの景気減速は多国籍企業の実績低下にも直結し、ドイツ系のMAN社では1~3月に1千万ユーロの赤字を計上。GMも為替や南米地区の業績不振で第1四半期の売上げが4・5%減の357億ドルで終わったなどの報告が相次いでいるという。