在サンパウロ日本国総領事館の広報文化班に2人、新たな領事が加わった。日本外務省との2年契約で、広報文化施設「ジャパンハウス」(仮称)の立ち上げ業務を中心に携わる。日本政府は2016年度内の開設を目指している。
東京芸術大卒の栁澤智洋領事(39、長野)はこれまで建築業を専門とし、イベント企画、運営などにも関わってきたという。ブラジル人の妻を持ち11年4月から3年間、すでにペルナンブコ州都レシフェに住んでいた。「ブラジルに携わっていきたい気持ちが強い。建築分野で積極的に貢献できれば」と述べた。
藤田陽子さん(42、愛媛)は国際法学の専門家。これまで7年間、独立行政法人で外国人のビザ発給など、就労支援に関わってきた。個人的にブラジル人バレーボールチームに所属し、当地への関心を高めていったという。初来伯ながら「温かい雰囲気の国でリラックスして仕事ができそう。日伯の架け橋になりたい」と抱負を語った。
また領事交代のため、経済班で共に農林水産省から出向の遠藤諭副領事(36、宮城)が、後任の藍原健副領事(38、東京)と来社した。
12年4月から赴任していた遠藤副領事は、「東日本大震災後は日本からの食品輸入規制が多くなり、非常に頭を悩ませた。サントスで荷物が止まり、ANVISA(国家衛生監督庁)とも繰り返し交渉した」と振り返った。
「近年は福島県産を除けば元通りに近い。加工品や冷凍食品、飲料など日本食への関心も増えている」と捉え、「7月の(県連)日本祭りでは和食ブースを出すことになった。ブラジルに関して安倍(晋三)総理の期待も高い」と話した。
農水省の外局、林野庁に所属する藍原副領事は、「大自然を持つブラジルに魅力を感じ、自ら赴任を希望した」という。経済班では鉄道、通信など専門外の分野にも携わることになるが、「企業の環境整備に努めたい。得意分野でも貢献できれば」と抱負を述べた。
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