サンパウロ州水道公社(Sabesp)のジェルソン・ケウマン総裁が5日、資金不足のため、今年行う予定だった工事の開始を遅らせると発表したと6日付伯字紙が報じた。
同総裁によれば、同公社は水道料金の調整率を22・7%とする事を望んでいたが、許可されたのは15・2%だったため、事業予算が不足するのだという。同総裁はどの工事の開始が遅れるの蚊は明言しなかったが、計画断水を避けるために必要な事業は優先的に取り組む事も強調した。
計画断水を回避するための工事の一つはリオ・グランデ水系のビリングス湖の水をアウト・チエテ水系に流すもので、計画発表当初は5月完成と言われていたが、既に数回訂正され、水道料金の調整率が15・2%と決まった4日には改めて9月完成と発表された。
一方、7日付エスタード紙によれば、サンパウロ州とリオ州、ミナス州を流れる南パライバ川流域のジャグアリ貯水池と、カンタレイラ水系のアチバイニャ貯水池を繋ぐ工事の入札には6日夜までに33社14組が応札し、関係者を驚かせているという。この工事は総工費8億3千万レアルとみられているが、通常は5億レアルを超える工事の入札には3~4組の応札しかないからだ。
市場関係者は、連邦政府が取り組んでいる財政調整により、道路や港湾その他の基幹工事への投資が減ると見られている事や、ラヴァ・ジャット作戦により、国内の大手建設会社25社の今後の動向が予測できなくなっている事などで、将来への不安を覚えた建設業者などが、生き残りをかけて応札してきたものと見ている。この工事は契約から18カ月間で完成する見込みだ。