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「ジャポネース ガランチード」=サンパウロ 駒形秀雄

 4月11日付け西銘光男さんの文章「ジャポネース ガランチード」を拝見致しました。大変立派な内容のお話しに感心し、「そうです、全くその通りです」とこの文を記します。
 第一に、この言葉「ジャポネース ガランチード」が日本人を差別する言葉だということが、西銘さんの体験に基づいて明確に書いてあるということです。私も何度かこれは侮蔑語だと言い、新聞にも投稿したのですが、自分の体験ではないので迫力がありませんでした。西銘さんの話は感動的で説得力があります。
 第二に、この言葉が文法的に正しくないカイピーラ語で、そんなことを口にするのも恥ずかしい、と言う点です。「信用できる日本人」と言 いたいなら、他の言葉があるのです。日本語だけでなく、ポルトガル語にも十分造詣の深い西銘さんが言われるのですから、これはガランチード、間違なしですね。
 この様な侮蔑の意味のコロニア言葉を、ブラジル事情に疎い日本からの来客に得々と紹介し、「ジャポネース ガランチード」は「信用できる日本人」と教え込んだ現地の人は罪が深いと思います。
 初めは日本から来た何も分らぬ地方の会長などが、県人会で「皆様の努力で今日ジャポネース ガランチードと言われるような高い地位を築いた」などと挨拶していた間はまだ良かったが、これが印刷物になり、日本の首相 までがそれを言うようになっては、ピアーダを通り越して「あきれてものも言えんわい」となります。
 更に、これを生半可のポルトげースでブラジル人に「俺はガランチードだ」などと言われても、ブラジル人は何を言うのか?と思うでしょう。大体、人を呼ぶのにその人の名前を言わず、「オーポルトゲース」とか、「アメ公」「ロ助」とか地名で呼ぶのは侮蔑の言い方です。
 ブラジルに居る人はどこの出身であろうと、人として皆平等です。私達も、自分から差別を助長するような「ジャポネース ガランチード」などは使わないのが一番良いのです。