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デカセギブーム再開の兆し

セント・メリー・アクス通り30番地に聳え立つ超高層ビルから見た英国ロンドンの町並み(Foto: Matt Brown)

セント・メリー・アクス通り30番地に聳え立つ超高層ビルから見た英国ロンドンの町並み(Foto: Matt Brown)

 「風が吹けば桶屋が儲かる」ならぬ、ラヴァ・ジャット旋風が吹き荒れるとデカセギが増える?!――ブラジルの不景気に押し出され昨年から国外就労ブーム再開、主な行先は日本と英国―との興味深い記事がエスタード紙4月19日付経済面に掲載された▼英国首都北西部に二輪販売店を持つゴイアス州出身者の談話が中心だ。ロンドンでは「バイク配達便運転手の7割がブラジル人」という推計があるくらい多く、《二輪店を開店した2010年、ブラジルの経済成長率は8%で、グローバル経済の成功例ともてはやされていた。こっちのブラジル人のモトボーイはみな母国の好景気にあやかろうとバイクを店に売って帰って行った。13年までの間に少なくとも50台。それが去年から逆転し、こっちに戻ってきている》▼同記事には《最近、日本の企業がパラナ州の派遣会社に200人の求人をした》とも。パラナ州マリンガの派遣会社社員は《09、10年には送り出しゼロの月が頻繁にあり、たくさんの派遣会社が潰れた。でも最近は毎月50人を送っている会社まで》と証言▼昨年来、サンパウロ市の派遣会社でも「500人以上、求人があっても日本に行きたがる人が少ない」とボヤいていたが昨今は状況が変わった。当地経済の低迷ぶりが顕在化してインフレが高騰し始め、ペトロブラス汚職捜査がインフラ工事全般の資金の流れを止め、影響が各所に出ている▼おりしも日本では「グローバル人材」育成に関心が高まっている。今度は肉体労働者でなく、「英語が堪能な国際人材」の日系人を連れて行って育成し、永住したくなるように厚遇したら? 人口減対策にもなり一石二鳥では。(深)