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評議員会の様子
評議員会の様子

援協定期=評議員会=「14年も健全な運営」=政府との連携強化も進む=PIPAでSUS利用可に

 サンパウロ日伯援護協会(菊地義治会長)が先月25日に本部神内ホールで「第9回定期評議員会」を開き、22人が出席した。2014年度は奄美事業所の受け入れ数拡大、自閉症児療育学級「青空学級」PIPAの公共事業化など、政府との連携強化が目立った年となった。

 菊地会長は「20以上もの事業が滞りなく進んでいるのは、健全な運営がなされているから。皆さんのご支援で、問題なく14年が経過した」と挨拶し、関係者に感謝を示した。
 昨年度の事業報告では、以下の内容が菊地会長より報告された。
 連邦政府から公益団体認定(Filantropia、免税認定)を受け続けるため、政府の要件を満たさない高齢者福祉施設「スザノ・イペランジアホーム」は昨年2月に独立。同年1月に「保健部門と分離した組織」として新設された「日伯福祉援護協会」が運営母体となり、従来通りの運営を行っている。
 社会的援助が必要な6~14歳の青少年を受け入れる児童福祉センター「奄美事業所」(サンパウロ市ビラ・カロン区)は、14年7月にサンパウロ市役所との契約を更新、児童受け入れ数の上限が90人から120人に引き上げられた。
 PIPAとSUS(統一医療保険制度)との契約が成立したことで、公共保健医療制度に登録されている自閉症患者の診察・治療を、同学級でも行うことが可能になった。連邦政府との連携が実現したことで、薬を使わない「生活療法」の周知が見込めるほか、貧しい家庭の子どもでも同治療を受けられるようになった。このため、現在15人の定員を、年内に45人に増やすことが決まっている。
 サンパウロ州サンミゲル・アルカンジョSUS病院の敷地内に救急診療所を新設する企画は、市との支払い問題が解決したことで前進しつつある。当初の予定より規模を縮小し、500平方米の救急施設を建設するべく、今年3月28日に起工式が執り行われた。SUS病院の受付総数は5万4897件に上った。
 援協定期評議員会に先立ち、「日伯福祉援護協会」の「第3回定期評議員会」も行われ、決算・事業報告が難なく承認された。
 援協の本年度の総合予算は3億4987万2千レアル。日伯福祉援護協会の予算は231万3千レで、いずれもスムーズに承認された。