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UPP配属の警官を前に語るベウトラメ保安局長(Tânia Rêgo/Agência Brasil)
UPP配属の警官を前に語るベウトラメ保安局長(Tânia Rêgo/Agência Brasil)

リオの平定化に黄信号!=コロアの丘に武装集団侵入=UPP設置地区で銃撃戦

 「重火器などで武装した集団100人以上がサンカルロスの丘からコロアの丘に向かっている」―。8日夜、軍警のオペレーションセンターからの連絡を受けた警官達の間に緊張が走った。
 リオ五輪までは13日で450日だが、12日付伯字紙などによると、リオ市平定化の鍵を握るとされてきた平和維持警察部隊(UPP)設置地区であるコロアの丘での麻薬密売者同士の抗争は、6人が死亡、5人が負傷する事件に発展した。
 コロア、ファレット、フォゲテイロの三つの丘にUPPが設置されたのは2011年だ。8日の抗争はコマンド・ヴェルメーリョ(CV)と同地域に根を張るADA(アミーゴス・ドス・アミーゴス)によるもので、特殊部隊(BOPE)が着いた時には既に激しい銃撃戦が展開されていた。同夜は4人が死亡、サッカー中だった青年や妊娠5カ月の妊婦ら5人が負傷した。
 8日の事件後、軍警は特別作戦部隊(COE)を同地域に駐留させたが、10日にはCOE軍警と麻薬密売者の間での銃撃戦で男性2人が死亡した。
 現場はサンボドロモや市役所に近く、州保安局から1キロの所にある。ジョゼ・マリアノ・ベウトラメ州保安局長は先週、同地域九つのファヴェーラの警備強化を約束した。
 市警では、CVの武装集団は30丁以上の機関銃を持っており、覆面姿の男もいた事から、ADAから寝返った密売者か警官が先導し、UPP警官が高所から見張っていた可能性も疑っている。
 市中央部での密売者の抗争は市北部の密売者の動きと無縁という向きもあるが、市内では、北部ペドレイラの丘を支配するADAのセウソ・ピニェイロ・ピメンタ(通称プレイボーイ)らしき男がコロアの丘の仲間のために武器提供を呼びかける録音も流れている。
 UPP設置地区での暴力事件が続き、〃UPP設置地区では抗争は起きない〃というイメージが傷ついた今、W杯や法王訪問、五輪などの大イベントに備え、UPPによる平定化ベルト構想を掲げていた州保安局が今後どのような対応をとるかが問われている。