2015年は雇用喪失や景気後退(リセッション)を匂わせるような報道が続いているが、12日は国内外でPT(労働者党)政権での汚職やジウマ政権の経済政策を批判する声が上がったと13日付伯字紙が報じた。
パラナ州での下院ペトロブラス(PB)議会調査委員会(CPI)では、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で逮捕された闇ブローカーのネウマ・コダマ被告が汚職への関与を後悔しつつ、「ブラジルは汚職で動いている」「汚職の輪が切れたから経済危機や景気後退が起きた」「汚職は別の汚職で隠匿されていた」と明言した。同被告は、報奨付供述が認められたら汚職体制の責任者達の名前を明かすと約束した。
CPIでは、ペドロ・コレア元下議(進歩党・PP)も、2004年にパウロ・コスタ被告をPB供給部長に指名したのはPP党首だった故ジョゼ・ジャネネ下議ではなく、ルーラ前大統領だったと聞いたと証言した。議会審議が90日間止まり、議員達の圧力に屈してコスタ被告指名とのアウベルト・ユセフ被告らの証言とは内容を異にするが、同元下議は500万レアルの収賄容疑を否定すると共に、要職の座を離れても影響力を振るう政治家がいると発言。PTのルーラ前大統領や民主社会党のフェルナンド・エンリケ・カルドーゾ元大統領(FHC)かと聞かれると、「国民の反応を考えたら誰もルーラを牢屋にぶち込めないさ」と嘯いた。
LJが告発した汚職がPBやカルテルを組んだ企業に多額の損失や投資減額などの影響を与え、基幹工事も滞っている事は、コダマ被告の言葉が穿ったものでない事もうかがわせる。
一方、ニューヨークの伯米商工会議所で両国の関係改善に貢献したとしてビル・クリントン元大統領と共に表彰されたFHCは、政治家や経済界要人らを前に、自分は1988年の憲法改正後に積み上げられてきたものをより堅固にしたのみとした上、第1期ジウマ政権は2008年の経済危機脱却時に導入した経済政策を継続した事で後ろ向きのギアを入れたままにしたと批判。レアル・プラン導入や国外での負債軽減などの功績を知る人々は「大統領に戻れ」との声を上げ、「国民からの支持率が下がった事はあったが、国際的な信頼を失った事は一度もなかった」との言葉には長時間、拍手を送った。
なお、ロンドンで外国人投資家との会合に出席中のジョアキン・レヴィ財相も12日、リオでの全国フォーラムに送ったビデオで、政府の役割は社会や民間部門が活躍できるような環境や舞台を整える事で、保護貿易的手段で他国企業との競合を回避すれば、競争力を殺ぎ、経済活動を縮小させるとし、第1期ジウマ政権の政策を批判した。
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