連邦下院が13日、財政調整のための暫定令(MP)664号の審議を行ったが、連立与党2大勢力の民主運動党(PMDB)や労働者党(PT)議員の造反もあり、基本条項承認後に行われた修正案の審議で、ジウマ政権が2回の挫折を経験したと14日付伯字紙が報じた。
MP664号は遺族年金や疾病手当などの社会保障給付の付与を制限する暫定令で、基本法案は賛成277反対178の大差で可決されたが、修正案の投票中に政府は2回の敗北を喫した。
遺族年金の受給年数を年齢毎に制限し、44歳以上の伴侶は永年受給とするが、それ以下の場合の受給年数は3~20年とするという案は、婚姻生活かそれに順ずる状態が2年以上という条項も含め、政府案通り承認されたが、年金積み立て期間は2年以上が1年半以上に引き下げられた。
また、232対210の僅差で承認された修正案は、年齢と年金負担年数を足した数字が女性で85、男性は95を超えれば、年金の満額受給の下限とされていた年齢(男性65歳、女性60歳)に達していなくても年金を満額受け取れるという85/95案だ。
政府は85/95案が施行されれば、社会保障費の支出が今後10年で400億レ、20年で3千億レアル増大すると見ている。
年金支給額の算定方法はフェルナンド・エンリケ・カルドーゾ民主社会党政権時(1995‐2003)に年金受給開始年齢を遅らせるために制定され、労働者の年齢、年金を負担した年数と負担率、平均余命によって計算される。労働者が引退する時に85/95案の条件を満たしていない時は、引き続き、年金が減額される。
フォーリャ紙は、企業が労働者に疾病手当てを払う期間を15日から30日に引き上げるとの政府案は否定されたとしているが、エスタード紙は同案は原案通り承認としている。
MP664号の審議はパウロ・ペレイラ・ダ・シルバ下議(連帯・SD)に繋がりのある労働組合フォルサ・シンジカルが傍聴しており、組合員がズボンを降ろしてでん部を露出しようとしたことで審議が何度か中断した。組合員や野党議員がPTやジウマ大統領に反対するプラカードを掲げ、「PTは助けた相手に裏切られた」との歌声を上げたことで、議員同士のもみ合いも起きた。
下院は6、7日に失業保険を利用する権利を縮小するMP665号を承認しており、財政調整案の審議は、来週採決される予定の社会保障費減額政策(納付金の基準を給与額ではなく収益とする減税策)の負担率見直し法案によって終了する。