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3種の病気を媒介するネッタイシマカ(Rafael Neddermeyer/Fotos Públicas)
3種の病気を媒介するネッタイシマカ(Rafael Neddermeyer/Fotos Públicas)

ブラジルはデング熱流行状態=チクングニア熱も患者増加=寒くなっても蚊への対策を

 アルトゥール・シオロ保健相は14日、ブラジルのデング熱は流行状態である事を認めたが、チクングニア熱は流行には程遠いと語ったと同日付G1サイトなどが報じた。
 ネッタイシマカ(アエデス・アエジプチ)が媒介する病気の代表であるデング熱は、4月18日までに74万5900人の感染が確認された。同時期としては13年の140万人より48・6%少ないが、昨年より234・2%多い。10万人当たりの患者(罹患率)は367・8人で、国全体が流行状態だ。流行状態の州と罹患率は、アクレ州1064・8人、ゴイアス州968・9人、サンパウロ州911・9人、南麻州462・8人、トカンチンス439・9人、北大河州363・6人、パラナ州362・8人だ。
 国内検出のウイルスは4種全てで、1人で4回感染する可能性がある。反復すると出血性デング熱に移行しやすいが、初回感染で症状が出ない例も7~9割あり、感染経験に関わらず、蚊に刺されぬ注意が必要だ。
 デング熱のいとこのチクングニア熱は、ブラジルでも14年9月から感染が確認されており、G1の調査によれば、1~4月の感染者は1978人。感染が疑われている人も9691人いる。感染は12州と連邦直轄区で確認され、98・5%はバイア州とアマパー州の患者だ。昨年9月からの総計は4987人で、大半は地元での感染だ。
 この病気のウイルスはアフリカ型とアジア型があるが、感染は1回。主な症状はデング熱同様、頭痛や高熱、筋肉痛、吐き気、発疹などで、致死率は低いが、関節などの痛みが激しく、何年も悩まされる例もある。ヒトスジシマカ(アエデス・アウボピクトゥス)も媒介するので、市街地以外でもボウフラ対策が必要だ。国外ではデング熱とチクングニア熱の同時感染例もあり、保健相は8日、3~4年で蔓延する可能性も口にした。
 今年はネッタイシマカが媒介するズィカ・ウイルスも発生し、14日にはバイア州と北大河州で各8人の感染確認も発表された。主な症状は発熱や筋肉痛、目の奥の痛みや充血、四肢の浮腫などで、致死例はない。バイア州では感染が疑われる人が1200人おり、サンパウロ州でもバイア州に近いミナス州に滞在していた男性が感染と報じられた事があるが、保健省の統計には入っていない。