上下両院で予定されている財政調整法案の審議を前に、連邦政府は18日に連立与党党首との会合を持ち、民主運動党(PMDB)に複数のポストを与えることをにおわせつつ、予算削減規模は、財政調整法案の採否にかかっていることを明らかにしたと19日付エスタード紙が報じた。
連邦政府はこの席で、下院が暫定令665と暫定令664に変更を加えたことによる影響を明示した。暫定令665と664の変更により、財務省が予定していた国庫の負担減少額は、年間180億レアルから145億レアルに縮小した。ジウマ大統領は、第1期政権で導入した社会保障費緩和法(desoneracao de folha de pagamento)の変更によって企業からの社会保障費の納付額増加を図ると共に、同制度を年内に撤廃することで、国庫負担を60億レアル減らそうとしている。
これに対し、エドゥアルド・クーニャ下院議長(PMDB)の腹心で同法改定の報告役でもある同党のレオナルド・ピッシアーニ下議は、急な負担増は企業側の適応が困難とし、同法終了を16年とするよう望んだ。
同下議はこの会合の後にミシェル・テメル副大統領らと更に話し合い、社会保障費緩和法の変更を受け入れたが、企業負担率の増加は段階的に行うよう要請するとの意向を表明した。
政府提出の社会保障費緩和法改定案は、企業側の社会保障費負担率を、工業部門などでは収益の1%を2・5%に、サービス部門などでは同2%を4・5%に引き上げるもので、同案は本日下院で採決にかけられる。
レヴィ財相はこの会合で、今年の予算削減規模は700~800億レアルとなると述べたが、予算削減の規模には、政府閣僚と議会との駆け引き材料という面と、労働者党(PT)政権内の権力争いという面がある。レヴィ財相は780億レアルの厳しい削減を要求しているが、ネルソン・バルボーザ企画・予算管理相とメルカダンテ官房長官は650~670億レアルにとどめるべきと主張しているからだ。
多くの大臣は非公式に、大幅な予算削減をすれば行政が麻痺すると不安の声を漏らしている。ジウマ大統領が所属するPTの下議達も財政調整だけではブラジル経済の回復には不充分だと不満を漏らしており、大統領に対して前向きな景気刺激策の発表を要求している。