上院は19日、ジョアキン・バルボーザ氏の辞任以来、約10カ月空席になっている最高裁判事に、ジウマ大統領が指名したルイス・エディソン・ファキン弁護士就任の是非を問う投票を行い、賛成52票、反対27票で承認した。
大統領指名の最高裁判事を議会が否決するという事態を避けるため、連立与党の党首たちは朝から各党内の引き締めを図っていたが、レナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)がファキン氏任命を覆そうとする動きを見せ、労働者党(PT)議員らが懸念を表していた。同議長はラヴァ・ジャット事件で捜査対象になっている。
最高裁判事の定年が75歳に引き上げられたため、今回の指名はジウマ大統領の任期中、最後のものとなる可能性が大きいが、野党の社会民主党(PSDB)は、党内をファキン氏の就任反対に一本化することができなかった。ファキン氏支持を公言していたPSDB党議員はパラナ州選出のアルバロ・ディアス上議のみだったが、同党党首のアエシオ・ネーヴェス上議の要求に従わず、ファキン氏指名に反対票を投じなかった議員は他にもいたようだ。
本会議開始時、与党側は、ファキン氏承認を最優先議題とするよう上院議長に要求したが、レナン議長はこれを否定し、米州機構常設委員に指名されていたギリェルミ・パトリオッタ氏ら、外交官5人の就任の是非を最初の投票項目に定めた。投票の結果、パトリオッタ氏の米州機構常設委員就任は否決されたが、フランス、モナコ、マリ、ジョージア(旧称グルジア)の大使に指名された4人は全員承認された。
ファキン氏の最高判事就任を問う投票は午後6時50分に始まった。投票開始4分後には、同氏の最高裁判事就任に抗議する市民がクラクションを一斉に鳴らす抗議行動(ブジナッソ)を行ったが、その3分後にはファキン氏の最高裁判事就任が承認された。
レナン上院議長は、議事堂を去る際、「議長は『公平』かつ『中立』でなくてはならない」と語り、ファキン氏就任阻止に動いたかどうかを問われると口をつぐんだ。
同日夜、ジウマ大統領は文書で満足感を表し、「同氏は司法権に名誉を与え、ブラジルの民主主義制度を一層偉大なものにする存在だ」と称賛した。
ブラジリア市内のホテルで家族と共にTV中継を見守ったファキン氏は承認後、「最高裁判事就任は夢以上のもので、現在と未来のブラジル民に公正な司法を実現するという責任の重さを実感している」と文書でのべた。
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