PT政権にもう一つの試練!――ルイス・フックス最高裁判事は26日「社会経済開発銀行(BNDES)はJBS社に関する取引詳細を連邦会計検査院に公開すべし」との判断を下した。連邦議会は先日、同行の資産運用の機密性を解く法案を決議したが、ジウマ大統領はそれに拒否権を行使したという曰くつきの件だ▼産業振興を目的に連邦政府が運営する公的銀行にも関わらず、実は運用内容は公開されていなかった。そのため、政治家が特定の企業に融通を図る余地があるのでは―と以前から疑われていた▼事実3月の200万人デモでも、4月のそれでも「次はBNDESだ!」との標語が見られた。同時に精肉会社「フリボイ」疑惑を掲げるプラカードも多かった。俳優トニー・ラモスのテレビ宣伝が頻繁に流れるあのフリボイはJBS社の商標だ▼14年6月2日付Veja誌によれば、同行は80億レをJBSに投資する25%株主で、連邦貯蓄銀行も10%株主。つまり株の3分の1が公的資金という異例に恵まれた資金環境を持つ民間企業だ▼そこで立った〃噂〃が「ルーラ前大統領の息子がJBS大株主」。前大統領は否定し、それを広めている政敵を裁判沙汰に。パラー州やサンパウロ州奥地に取材に行った際、地元日系人から「これがルーラの息子の農場ですよ」と紹介された場所が何カ所かあった。その時は「元金属工の息子が大農場主に」とブラジル式成功譚に驚嘆したが…▼大統領が拒否した理由「公開すると外国人投資家にも影響を及ぼす可能性がある」も理解できるが、税金で運営される以上、判事の「透明性が必要」判断は妥当。JBS以外も公開すべきだろう。(深)