サンパウロ州環境審議会が6カ月前に承認した「車による大気汚染コントロール計画2014―2016」によると、大サンパウロ市圏の大気の状態を適正なレベルに保つには、車の流れを26%減らす必要があると28日付フォーリャ紙が報じた。
サンパウロ州政府が行った環境評価によると、大サンパウロ市圏での大気の汚染状況悪化の最大要因は車の走行量の増加だ。サンパウロ市ではこの3年間に40万台の車が増えている。
車の排気ガスなどに含まれるオゾンで見ると、大サンパウロ市圏では昨年、健康に有害とされる8時間のオゾンの量が1立方メートル当たり140マイクログラムを超えた日が43日あり、12日だった2008年より大気の状態が悪化している事が判る。車が多いサンパウロ市では、オゾンが先の値を超えた日が、サンパウロ総合大学(USP)のあるシダーデ・ウニヴェルシタリアで35日、イビラプエラで27日、インテルラゴスで22日、サントアマロで19日、サンターナとイタケーラで各16日、モオッカで13日、パルケ・ドン・ペドロで12日などとなっている。
だが、車の走行量を26%減らす、またはそれに準じた量の排気ガスや汚染物質の放出量を減らす事は容易ではない。
専門家は、サンパウロ市で一時行っていた環境車検のような形で排気ガスの排出量を減らし、浄化率を高める事や、公共交通機関や自転車利用の促進などを勧めている。また、市街地での通行料徴収や、ナンバープレートによる乗り入れ規制の強化を提唱する声もある。
サンパウロ州政府が最も重視しているのは、喘息や気管支炎、各種の肺疾患、心臓疾患、癌を引き起こす可能性が高いオゾンだ。オゾンを始めとする汚染物質の影響を受け易いのは子供や高齢者、糖尿病などの慢性疾患患者だ。
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