サンパウロ州が誇るクラシック音楽の祭典、カンポス・ド・ジョルドン(CDJ)の冬季国際音楽祭(Festival Internacional de Inverno de Campos do Jordao)が、今年も7月4日から8月2日まで、サンパウロ市から180キロのカンポス・ド・ジョルダン市で開催される。
今年で46回目を迎える同イベントはサンパウロ交響楽団財団によって開催され、今年の予算は450万レアルとなっている。この額は前年の650万レアルより200万レアルも少ないが、同財団によると、今年は昨年よりも八つ多い75のコンサートを予定しているという。
ただ、今年は緊縮財政を工夫で補う必要があり、これまでカンポス・ド・ジョルドンで行っていた音楽専攻の学生向けの講座やコンサートがすべて、サンパウロ市で行われる。これは、学生たちの宿泊費やサンパウロ市からカンポス・ド・ジョルドンへの旅費削減を目的としたものだ。
主催者は緊縮財政でも「質は落ちていない」と主張しており、今年も多くの豪華演奏陣が訪れる。
まず指揮者には、日本を代表する指揮者で、現在ドイツのハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団を指揮する大植英次、そしてロンドン王室アカデミーの女性指揮者、シアン・エドワーズらがやって来る。
また、演奏陣でも、ブラジル人では、ベルリン交響楽団との共演盤を発表している世界的チェリストのアントニオ・メネゼスやルイス・フィリップ。国外組では、イギリスのクラシック音楽界を代表するクラリネットの名手のマイケル・コリンズ、そして、現在のクラシック・ギター界で最大の影響力を誇る演奏家のひとりでもあるキューバのマヌエル・バルエコもやって来て、世界的な美技を披露する予定だ。
昨年の音楽祭はピアノ演奏が注目を集めたが、今年の目玉は弦楽器とされ、スペイン人のエウヘニア・モリネールがフルート、ボスニア人のデニス・アザバジックがギターを演じ、シカゴを拠点として活動しているカヴァティーナ・ヂュオも、ブラジルでは初の音の競演を楽しませてくれるはずだ。
クラシック音楽批評家のラウロ・マシャド・コエーリョ氏によると、7月5日にクラウジオ・サントーロ公会堂でサンパウロ青年交響楽団が演奏するリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」も今回の目玉のひとつだという。(28日付フォーリャ紙、エスタード紙より)