ホーム | 日系社会ニュース | 東京=伯画家の作品を版画で再現=日伯アート融合の試み
豊田さん(左から4人目)ら。佐野首席領事(同5人目)も駆けつけた
豊田さん(左から4人目)ら。佐野首席領事(同5人目)も駆けつけた

東京=伯画家の作品を版画で再現=日伯アート融合の試み

 アダチ伝統木版画技術保存財団(東京新宿区)が4月21日から5月10日まで、外交120周年と財団設立20周年を記念した企画展『ブラジルアーティストによる現代の浮世絵』を、東京都新宿区の常設展示場で開催した。当地を代表する10人の画家による作品を、浮世絵に代表する日本の伝統木版技術によって再現するという新しい試みとなった。
 参加したのはコロニアを代表する芸術家の豊田豊、若林和男、金子謙一ら各氏と、パリ在住のタナカ・シロー・フラビオ氏、ミラノ在住のアントニオ・ジアス氏など。
 4月24日には訪日中の豊田さんを招いた交流会も開かれ、100人ほどが参加した。駐日ブラジル大使のアンドレ・コレア・ド・ラーゴ氏も「日本の伝統的な表現技法を、ブラジル人画家の発想と合体させることで新たな創作が生まれた。両国の融合と一体化を実現している」とのメッセージを寄せた。帰国中だった在聖総領事館の佐野浩明首席領事も駆けつけ、日伯のさらなる友好化に期待した。
 木版画化された自身の作品を直に見た豊田さんは、「髪の毛ほどの細さを彫る技術があり、驚き。再現度は100%だった。10数枚もの木版を重ねて完成させる労力は計り知れない」と感嘆した様子。また「日本でもブラジル人画家の活躍を知ってもらえたのでは」と開催を喜んだ。
 「近代芸術と掛け合わせて、伝統技術を残そうとする発想が素晴らしい」と企画に賛同した豊田さんは、展示会の様子をまとめた記念冊子(アルバム)を制作している。ブラジルでも年内に同様のイベントを開催したい意向で、「展示会だけで終わらせるのではなく、彫り師を2、3人招待し、ワークショップも行なえれば。体験を通じて日本伝統技術の立派さを知ってもらいたい」と胸を膨らませた。

One comment


Notice: Only variables should be assigned by reference in /home/azevinho/nikkeyshimbun.jp/public_html/wp-content/themes/jarida/comments.php on line 21
  1. 初めて閲覧しました。内容が充実していてとても良いと思います。 構成もしっかりしていて読みやすいです。今後のご活躍をお祈りします。