連邦警察が2日、「ドナ・バルバラ作戦」を履行し、ブラジル人が指揮する国際的麻薬密売組織を摘発した。同組織はコロンビア革命軍(Farc)が扱うコカインをベネズエラで購入、ブラジルやメキシコなどで売り捌いていたと4、5日付エスタード紙が報じた。
2日に逮捕されたのは、サンパウロ州の企業家マノエル・メレイロ・ゴンサレス、ロナウド・ロナンドの両容疑者と、農園主で航空会社7社を所有するパウロ・フローレス容疑者だ。2日には、現金230万レアルと金の動きなどを示す銀行関連の書類その他も押収された。3人はいずれも容疑を否定している。
ゴンサレス、ロナンドの両容疑者はサンパウロ市とカンピーナス市に本社を置く企業家で、国際的な麻薬密売組織が内部分裂した2013年以降、小型機を購入しては、ベ国内でFarcから購入したコカインをメキシコの麻薬組織(カルテル)のシナロアとロス・セタスに売り捌いていたという。
容疑者らはベネズエラやホンジュラス、メキシコの関係者と携帯電話で連絡をとり、ベ国上空を飛ぶためのコード番号を買い取ると、マット・グロッソ州のシノピやサンフェリックス・ド・アラグアイア並びにマラニョン州バカバルを中継してベ国領内に入り、コロンビアとの国境に近いスリア州内の空港でコカインを積み込んでいた。
コカインはホンジュラス経由でメキシコに持ち込まれた他、ブラジルでも売り捌かれた。連警によると、スリナム経由でギニアビサウに売り捌く計画もあったという。
メキシコ送付のコカインの量は700~2500キロとばらつきがあるが、カルテルは1回飛ぶ毎に500万ドルを支払い、ブラジル人を含む操縦士達には50万ドルの報酬が払われた。密売組織は小型機の撃墜回避のため、ベ国警官に20万ドルずつ払っていたという。
メキシコで払われた金は香港にある銀行口座に送金され、コロンビアを経てブラジルに入っており、担当の両替商は15%の報酬を受け取っていた。アマゾナス州タバチンガの銀行に開設されたある大使の口座には7万レアルが振り込まれ、フローレス容疑者が総計22万レアルを振り込むとメッセージを送っていた事なども判明している。
5月27日にはブラジル人パイロット2人が乗っていた小型機がベ国上空で撃墜され、パイロットは死亡、コカイン押収という事件も起きた。また、4月11日にピアウイ州で墜落した小型機も麻薬を積んでおり、警察が国際組織との関係を調査中だ。ペルーでは4月15日、ブラジル人パイロットが操縦する小型機が麻薬搭載の疑いで撃墜され、パイロットが負傷、現在も身柄を拘束されたままという事件も起きている。