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ジウマ大統領=レヴィ財相を「ユダにするな」=「彼はキリスト」との声も

 11~13日開催の労働者党(PT)党大会を前に、ジウマ大統領とテメル副大統領が、ジョアキン・レヴィ財相と現政権の財政調整を弁護する発言を繰り返したと8、9日付伯字紙が報じている。
 第2期ジウマ政権が矢継ぎ早に出した財政調整のための暫定令(MP)664、665、668は有効期限が切れる直前に両院で承認され、社会保障関連の納税率引き上げを扱う法案(PL)も今月中には下院での審議開始となる予定だ。
 MP665は失業保険受給資格を厳格化し、MP664は遺族年金の支給基準を変更するなど、現政権の財政調整は一見すると国民の権利を狭める形で進められている。
 だが、財政調整の目的は、基礎的収支の黒字目標達成のために不可欠な支出削減と税収増加だ。第1期ジウマ政権では果たせなかった基礎的収支黒字目標達成は、ブラジルの経済政策への国際的な信用回復と、ブラジル国債の信用格付維持のために不可欠だ。
 しかし国民にとっては権利縮小や増税という部分だけが目につき、ジウマ大統領の選挙公約が棚上げされ、野党候補が弁護した経済政策が採用されたと感じた労働者や一部のPT党員は、「レヴィ財相と袂を分かて」との主張を繰り返していた。
 そこで出てきたのが、「財相を(キリストを裏切ったとされ、自殺したイスカリオテの)ユダにするのは不当」とのジウマ大統領の言葉だ。テメル副大統領も9日、「キリストは多大な苦難と十字架の死を味わったが、皆が恩恵を受けるような偉大な業を行った」事を引き合いに出し、「財政調整は複雑で困難と思われるかも知れないが、今後よりよい成果を生むためのもの」と説明した。
 PT幹部らは8日、党大会では現政権の経済政策批判をやめ、財政調整後を見据えた方針を提示する事を約束した。