軍警は9日、ジアス・マルチンス社の要請に応じて、サンパウロ市西隣のオザスコ市にある同社所有地の不法侵入者の強制立ち退き作戦を開始したと10日付伯字各紙が報じている。同作戦は3日続くとされている。同所有地は14年2月より約1万2千人(G1サイトでは1万3千人)によって占拠され、〃ネルソン・マンデラ共同地〃と呼ばれていた。
立ち退き作戦の間、一部住民が自分達が済んでいた家に火を放ったが、軍警との衝突にはいたらなかった。幹線道路ロドアネル・マリオ・コバスの6キロ地点から16キロ地点までは、9日の午前5時半から午前8時半まで閉鎖された。軍警は9日に、窃盗容疑で4人、放火容疑で3人(未成年者2人・成人1人)の計7人(エスタード紙より)を逮捕したが、同日午後には釈放された。
強制立ち退きはオザスコ市第2市民法廷のアンジェラ・モレノ・レゼンデ・ロペス判事の決定に基づくもので、軍警が現場に踏み込んだのは、自主退去期間が切れた9日の午前6時だった。
強制立ち退き作戦のためには、軍警第14大隊や警備局(CPChoq)、環境警察、道路警察、航空部隊が召集されたほか、消防隊も作戦補助のために待機するなど、あわせて30に上る市や州の機関が各種の作業に参加した。
住民は持てるだけのベッドやマット、電気製品、衣類を同所有地の入り口まで運び出し、オザスコ市などが用意したトラックに載せて運んだ。
妻と子供2人を抱え、行くところも無いというアデウソン・ダ・シウバ・モンテイロさん(35・左官)は、とりあえず妻の姉妹の家に身を寄せることにした一人で、午前中いっぱいかけて持ち出した所持品をトラックで運ばせた。
オザスコ市は不法占拠住民の代表者に名簿提出を求めており、住民側は1840世帯分の名簿を提出した。「市は裁判所の命令に従って名簿を精査し、オザスコ市住民社会開発局(Sehdu)の記録簿にデータを入力した。これらの住民はミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダ等の住宅政策にもアクセスできる」というが、ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダには現在4万3千人が順番待ちをしている。
強制立ち退きが決定した3カ月前より、多くの不法占拠者は退去していた。9日の作戦は夜更けと共に終了し、10日早朝から再開。少なくとも11日まで続けられる。