下院は10日、2020年の選挙から、当選者の任期を5年にすることを定めた憲法改正案を一次承認した。しかし、「全ての選挙を同時に開催」という案は却下された。これらは仮に実現するとしても実施に混乱を招く可能性を含んでいる。11日付伯字紙が報じている。
10日の下院で一次承認されたのは、「選挙の当選者の任期を5年にする」という案で、賛成は348票、反対は110票、棄権は3票だった。
この案が二次承認後、上院でも承認され、裁可された場合、5年任期となるのは2020年の全国市長、ならびに市会議員選挙からとなる。
ただ、下院は既に2016年の選挙から「行政の長の再選禁止」を452票対19票の圧倒的多数で承認しているため、16年の全国市長、市会議員選挙は通常通り4年の任期で行われるが、この選挙で当選した市長は再選ができなくなる。
また、2018年の大統領、知事、連邦議員と州議員の選挙で当選した大統領や知事、下院並びに州議員に関する任期は4年のままだが、上院議員の任期はこのときだけ8年から9年に変則的に1年延長されることとなる。それは14年の選挙で8年の任期で当選した人が既にいるためだ。また、このとき当選した大統領や知事は再選ができない。
これで行くと、市長、市議会議員は2020年から任期5年の選挙が完全履行される。大統領、知事、連邦並びに州議員の選挙については、22年に任期5年の選挙が行われるが、上院には9年任期の議員が残っているため、上院議員も含むすべての当選者が5年任期という状態が整うのは27年の統一選となる。
また一方で、「全ての選挙を同時に開催する」とする憲法改正案は、賛成が220票に止まり、憲法改正のために必要な「下院の3分の2」に88票足らなかったために否決された。これにより、2020年以降は、末尾が「0と5」の年が市長、市議会議員選、同じく「2と7」の年が大統領、知事、連邦議員並びに州議員選となる。
選挙を同日にする案に関しては、連邦選挙裁判所も、「1度に全ての選挙をやるのでは処理しきれない」と強く反対していた。
また、「投票義務の廃止案」は134票対311票の大差で否決された。これにより、現状どおり、19歳~69歳の国民は義務投票、文盲者や16~18歳、70歳以上は任意投票となる。
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