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ルーラ氏周辺に立つ煙

 連警の捜査で、カマルゴ・コレア社が2011~13年にルーラ研究所とルーラ氏の関連企業に300万レアルと150万レアルの献金をした事が判明した後、様々な動きが出ている▼その一つは、下院の議会調査委員会(CPI)が11日にパウロ・オカモト・ルーラ研究所所長の召喚を決めた事で、同日始まった労働者党(PT)党大会では、原稿など持たずに話すはずのルーラ氏が、平静心を失わぬためか、原稿を読み上げた。ルーラ氏は翌日、民主運動党(PMDB)党首で政局調整担当のミシェル・テメル副大統領に電話をかけ、PMDBも賛同した事に苦言を呈し、PTのCPI委員のルイス・セルジオ下議に「我々を倒そうとしているのに、何で召喚を認めさせた!」と雷を落としたという▼12日には、収賄疑惑の只中にあるオデブレヒト社とルーラ氏との関係が表面化するのを恐れた外務省幹部が、同社関連の書類を15年間非公開とするよう要請したが、非公開期間は5年間で据え置かれ、同社関連の書類は誰もが閲覧できる事を再確認した▼外務省の動きは、4月12日付のグローボ紙がルーラ氏の旅費をオ社が払ったと報じた事と、4月30日付エポカ誌が、オ社が国外で商談をまとめる際にルーラ氏が便宜を図った疑惑について検察庁が捜査を開始したと報じた事を受けたものだ。外務省までがルーラ氏保護に動いたと知った時は「まさか」と思ったが、5年間で据え置きと聞き、安堵した▼公職者の行動は国益最優先であれというのはきれい事に過ぎないだろうが、退任後も下知を下す姿はいかがなものか。職権乱用その他の事実が明らかになり、慌てる事にならねばよいが。(み)