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ブラジルに響け! 和の音色=「結」が7都市公演ツアー

 東京都内を中心に活動する和楽器トリオ「結」が国際交流基金サンパウロ日本文化センター(深沢陽所長)の日伯外交樹立120周年記念事業の一環として来伯し、ブラジル7都市で公演中だ。ロンドリーナ、ベレン、マナウスに続き、13日にはサンパウロ文化センターで公演を行い、600人超収容の会場がほぼ満席となる賑わいを見せた。

外交樹立120周年ロゴ

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 「結」は津軽三味線のはなわちえさん、箏の柿木原こうさん、尺八の辻本好美さんの3人が2009年に結成した和楽器トリオ。着物姿で伝統から現代までの幅広い音楽を演奏、日本への進出企業のレセプション・パーティーでの公演を中心に活動してきた。それぞれがソロとして国内外で活躍するが、「結」としては今回が初の海外公演となった。
 サンパウロ市公演で舞台に立った3人は、「まさかブラジルに来られるとは思ってもいなかった。皆さんに会えて嬉しい」(はなわ)「おばあちゃんが育った土地に来られて嬉しい」(柿木原)などと初来伯への喜びを語り、「春の海」「鹿之遠音」「花笠音頭」など伝統的な日本の曲から自作曲、「Brasileirinho」などを独奏・合奏した。当地の尺八奏者シェン響盟も共演した。
 はなわさんは独奏で、ソニーのタブレット「Xperia(エクスペリア)」のCMで起用されたロック調の自作曲『Experience』を猛々しく演奏、最後にバチを投げてフィナーレを飾り拍手喝采を浴びた。
 琴を嗜むという木藤美穂さん(60、山口)は「モダンな曲も含めて全てが最高だった!」と充実の表情でコメント。家族と訪れたデボラ・プレビアートさん(18)は「結の自作曲や津軽三味線の独奏が特に面白かった」と話した。
 ベレンなど3都市での公演終了後に本紙を訪れた3人は、「日本と違って演奏中にもお客さんから反応が返ってくるので、自分たちの気持ちも乗って楽しく演奏できた」(辻本、はなわ)「民謡の演奏では日系人の反響が特に大きくて、演奏中に口ずさむ人や『日本を思い出した』と声をかけてくれる人もいた」(柿木原)などと感激した様子で話した。
 残る公演に向けてそれぞれ、「楽器にも興味を持ってもらえるように紹介したい」(辻本)「音色の余韻まで楽しんでもらいたい」(はなわ)「和服も含めて日本文化に親しんでほしい」(柿木原)と意気込みを語った。
 今後の日程は以下の通り▼16日午後2時半、午後4時=ヴィトーリアSESI劇場でワークショップ▼18日午後9時=アプカラーナ文化体育協会で公演(桜祭り)▼20日=ブラジリア市営公園内展示場で公演(日本祭り)