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来賓者の記念撮影
来賓者の記念撮影

アルジャーゴルフクラブ=創立50周年式典に400人=大会で熱戦、記念誌も発刊=吉岡理事長「皆さんのおかげ」

 アルジャーゴルフクラブ(吉岡定治理事長)が創立50周年を迎え、14日に『創立50周年式典』が催された。同ゴルフ場サロンには会員の家族ら約400人が集まり、50年の歴史を盛大に祝わった。それを記念する『50周年ゴルフ大会』も催され、前日13日には女性の部、14日には男性の部が4人1組のチーム戦形式で開催された。それぞれ70、184人が連日、熱戦を繰り広げた。

高齢者表彰受賞者

高齢者表彰受賞者

 式典会場には、日系ゴルフ連盟の近沢宗貴理事長をはじめ、在聖日本国総領事館星野元宏領事、アルジャー市のアベル・ラリニ市長、今年「パウリスタ・スポーツ賞」を受賞した同クラブ会員の高野晴男氏ら来賓も出席した。
 挨拶で吉岡会長は「こんなに大勢に集まってくれたことに感謝したい。会員の皆さんに支えられ、クラブが成り立っていることを実感している」と感謝を述べた。
 近沢理事長は「私はこれまで多くのゴルフ場を回ったがこんなに輝いたクラブはない。これからもブラジル最高のクラブを目指していってほしい」と自身も長らく理事長を務めた同クラブを称えた。
 星野領事は『エスパッソ・キッズ・スクール』の存在を挙げ「すばらしい活動をされている。ブラジル全体のゴルフレベル向上にも寄与していくのでは」と期待を示した。
 女子の部に出場したカルラ・ジリオートさん(四世、25)は「12年間通っていて、クラブはいつも温かく迎えてくれる。そんな素晴らしいクラブの大会で好成績が収められて誇らしい」と笑顔で話した。
 出版社の経営者である吉岡会長が、「最も大変な仕事だった」と語る『50周年記念史』(ポ語)の発表も行われた。全カラー250頁でクラブの歴史を紹介した大部の記念誌で、来場者全員に贈られた。
 大会出場者全員へ記念品、特に優勝者及び、成績上位者には銀製の特別杯が贈られた。さらに85歳以上の会員に対しては高齢者表彰が行われ、古くからの会員12人に記念品が送られた。
 優勝チームは次の通り、【男子】ドルケケ・コロイヴァ、西マウロ平島ヒデキ、ミゲル・ジアス、【女子】ジュリアナ・キム、テレーザ・コロイヴァ、赤嶺テレーザ、浜イクヨ。
 高齢者表彰受賞者は次の通り。余語ヨシエ、高野ハルオ、中村勲、井上ツトム、池崎博文、長尾ルイス、田辺豊太郎、三木サダツグ、平松ユキオ、原沢和夫、チア・パ・サン、磯端トキオ(敬称略、順不同)。


最古の日系ゴルフ場歴史=11人が始めた夢実現へ=プロ選手輩出、子供コースも

初期の大会の様子(arujá golf clube 50 anos de história)

初期の大会の様子(arujá golf clube 50 anos de história)

 50周年を迎えたアルジャーゴルフクラブは、現在約500人の会員を有し、会員企画の1カ月に数回のゴルフコンペなどを中心に、日系のゴルフ場として親しまれている。施設には20人の常駐スタッフが在籍し、日々グラウンドの整備等に当たり、常に最高の状態を保っている。
 ホールに入るとまず目に入る「日本庭園」は移民百周年時に建立され、同クラブのトレードマークとなっている。また11番ホールは〃森の廊下〃と呼ばれる上級者でもかなり苦労する難所で、木で囲まれた細長いコースが特徴だ。
 その歴史は、1963年に「誰でも自由にプレーできる日系人のゴルフ場を作る」という夢を抱いた草分けとなる11人が、共に創立を目指す同志を募ったことに始まる。
 その当時「サンフランシスコ・ゴルフクラブ」がサンパウロ州のゴルフ場として人気を博していたが、あまりの人気ぶりに一般人が使用できる回数が限られてしまうほどだったという。

難関の11番ホール(arujá golf clube 50 anos de história)

難関の11番ホール(arujá golf clube 50 anos de história)

 2年後に同志165人が集め、互いに資金を出し合い、1965年6月29日に9ホールを完成させ、「アルジャーゴルフクラブ」を立ち上げた。その後、徐々に会員を増やし1ホールずつ建設を進め、約10年という時間をかけ、現在のような18ホールを完成させた。
 また1975年頃からは子供向けのコース建設も始まり、時には会員自ら作業を行い、現在では9ホールを持つほどになっている。更に昨年からはそのコースを使い、『エスパッソ・キッズ・スクール』という子供向けのゴルフ教室も開催しており、毎週土・日曜日に国内プロを招き指導にあたっている。

エスパッソ・キッズ・スクール受講生 (arujá golf clube 50 anos de história)

エスパッソ・キッズ・スクール受講生 (arujá golf clube 50 anos de história)

 過去には、日本で日系初の女子プロゴルファーとなった飯田プリシラ選手も幼いころから練習を行ったという同地。昨年より理事長を務める吉岡定治氏は、「歴史を辿るとクラブの創立者たちの夢が詰まった場所だということがよく分かる。我々がすべきことは子供たちに大きな夢を持ってもらうこと」だと語り、これからのクラブの発展を期待させた。

 

『創立50周年式典』の様子