連邦下院議会の外交国防委員会(ジョー・モラエス委員長)は「日本移民の日」の18日午前、本会議場で外交樹立120周年と移民107周年を記念した特別な公聴会を主催し、29人の連邦議員ら約70人が参加した。ウィルソン・ブルーメル在ベロ・オリゾンテ名誉総領事(元ウジミナス社長)と、オデシル・コスタ・オリヴェイラ在サルバドール名誉総領事が記念講演をしたほか、日伯関係の将来について議員同士の活発な意見交換が行なわれた。
ブラジル経済発展への日系人の貢献を評価する議員らが節目の今年、両国の関係が深化することを期待して開催された。登壇したブルーメル氏は日本を「ブラジル工業化の過程で1950年代から、常に支援を行ってきた極めて重要なパートナー」と捉え、「緊密化に向け政府による中小企業への支援も必要だ」と論じた。
一方、地元ミナスに関しては「聖、パラナ州に比べ日系人は少ないが、日本企業や文化は広く受け入れられている。最近ではパナソニックが工場を建設しているし、日本からの融資を得て行なうジャイーバ地域の灌漑作業は偉大な成果をもたらしている」と報告した。
日本政府の奨学金で日本へ留学した経験を持つオリヴェイラ氏は、「地元バイア州にはサルバドール日伯文化協会など、10の日系団体が存在する。日本週間や日本文化祭りを通し、引き続き日本文化の普及に従事したい。私が組織した北東部留学生同窓会による支援活動も継続しなければ」と話した。
飯星ワルテル下議も「我々は原料輸出国だが、今ではエンブラエルの飛行機が日本の空を飛ぶ時代になった。さらなるブラジルの技術革新を進めるには、日伯関係の深化は重要」とのべた。
梅田邦夫駐伯大使は「ブラジルには190万人、日本には19万人の日系人がおり深い人的絆が存在する」と話し、昨年来伯した安倍晋三首相の言葉を引用し「これからも日伯協力『ジュントス』を模索していく」とあいさつした。
その後、意見交換では「同時刻に複数の委員会がある中で、これほど多くの議員参加は珍しい。日本への関心の高さを証明している」と述べる議員も。パラーや南大河州の議員からは領事事務所を総領事館に戻してほしいとの要望もでた。正午までの予定だったが1時間弱延びるなど23人の議員が活発に発言した。
昼からレセプションとなり、あいさつに立った西森ルイス連邦下議(伯日議員連盟会長)は「大変活発な意見交換ができた。さらなる日伯関係強化に向け、今後も各議員からの協力をお願いしたい」と呼びかけた。