サンパウロ州内陸部ピラポラ・ド・ボン・ジェズスで、チエテ川から湧き上がる白い泡が高さ3メートルを超え、橋や道路にも上がったり、家の庭を占領したりして市民達を悩ませていると23日付G1サイトなどが報じた。
ピラポラの町を横切るチエテ川の水面を覆う泡は、サンタナ・デ・パルナイバやサウトでも確認されている。この泡は川に垂れ流しにされた生活排水などに含まれる洗剤などの成分が少雨などで濃縮された上、水力発電所のダムによって水が動く事で発生する。
この泡は、川の水位が上がったり強い風が吹いたりすると道路や橋の上にものし上がり、人や車の交通も妨げる。泡が風で吹き飛ばされたりする時は悪臭も広がる。
ランショネッテ経営のジョゼ・アントニオ・パラゾッリ氏の家では泡が庭まで入ってきた。「こんなに酷くなったのは久しぶりだ。布を張ったりして汚れが広がらないようにしたけどね」という同氏は、泡が乾いたら床や衣類、車の塗装にまでしみを残す事以上に、汚染物質が健康被害をもたらす事を懸念する。
人口1万6千人の町にはボン・ジェズス聖堂もあり、毎年60万人の巡礼者が訪れるが、白い泡や汚染物質は、悪臭や鼻のぐずつき、目のかゆみなどの原因となり、市民や観光客を悩ませる。
チエテ川流域では、生活排水流入で栄養が豊富になりすぎて浮き草が繁茂する所も出ている。
24日付フォーリャ紙によれば、アチバイア川も流水量の低下と生活・工業排水の流入で栄養過多になり、藍藻(らんそう、シアノバクテリア)が繁殖。水が緑になっている所があるという。
いずれのケースも、川に流れ込む排水の処理が問題解決の第一歩で、各市民や自治体、水処理施設の協力が不可欠だ。