不況に伴う税収減や、基礎的収支の黒字額が見込みを下回ったことで、財政関連目標数値の達成に黄信号が灯る中、ジウマ大統領が、もう一つの目標数値であるインフレ目標の許容幅改定に着手したと26日付伯字各紙が報じた。
国家通貨審議会(CMN)は25日、17年のインフレ目標の中央値を4・5%に据え置く一方、許容範囲を上下2%ポイントから1・5%ポイントに引き下げた。これにより17年のインフレ目標の上限値は6%となった。16年までのインフレ目標は06年採用の中央値4・5%、許容幅2%ポイントを踏襲するため、目標上限は6・5%のままとなる。
今回の方策は、公的負債の削減のための財政調整を試みる政府の経済政策への信頼性を高めるためのもので、中央銀行がインフレを目標中央値の4・5%に抑える助けになるとも見られている。
上下1・5%ポイント、計3%の許容幅は、干ばつその他に起因する価格上昇などの予期せぬショックを吸収する働きをする。
インフレ目標の許容範囲の縮小は25日夕方、1月~5月の基礎的収支の黒字額は予見されていた分の12%しかなかったと報告された直後に発表された。
許容幅の変更は、ジウマ大統領が同日朝、CMNを構成する、ジョアキン・レヴィ財相、アレッシャンドレ・トンビニBC総裁、ネルソン・バルボーザ企画相の3人に、アロイージオ・メルカダンテ官房長官を加えた4者との会合で決定した。
インフレ目標の上限値がこれほど低く設定された最後の調整は、フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ(FHC)政権が01年に行ったもので、03年の目標上限を5・25%に設定した。
03年に政権に就いたルーラ前大統領は目標上限を8・5%まで引き上げ、9・3%のインフレでその年を終えた。
インフレが目標上限を超えたのは01~03年で、今年も上限突破は確実だ。インフレ率が上限値を超えた場合、中銀はその理由を文書で説明する必要がある。
CMNは、今年3度目となる、社会経済開発銀行(BNDES)からの融資の返済金利引き上げも決めた。現行金利は年6%だが、7月1日から9月30日までのBNDESの長期金利率(TJLP)は、2007年6月以来最高となる6・5%へ引き上げられる。