【既報関連】6月25日、UTCのリカルド・ペッソア被告が報奨付供述で「ペトロプラス社との取引での便宜供与を求め、昨年の統一選でも、ジウマ大統領への選挙献金の名目で750万レアルの賄賂を贈った」と暴露したことで、米国訪問直前だった大統領は、供述の中で名前の挙がった閣僚との緊急会議を2度行い、側近のアロイージオ・メルカダンテ官房長官らをブラジルにとどめたと6月28~30日付伯字各紙が報じている。
メルカダンテ官房長官のブラジル残留は、米国の眼がブラジルの新投資計画やブラジル経済の信用度の回復に向きつつあるときに、疑惑の渦中の閣僚が大統領と共に渡米することで報道陣の餌食になり、外交課題進展の妨げになるのを防ぐ狙いだ。
ジウマ大統領は渡米当日の6月27日、専用機搭乗を遅らせて行った、メルカダンテ官房長官やエジーニョ・シルバ社会通信局長官、ジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ法務大臣との会議で、同被告の供述は恣意的な選択に基づいて暴露されており、誰かが政権を揺さぶろうとしていると非難した。また、昨年の大統領選で争った民主社会党(PSDB)のアエシオ・ネーヴェス上議もUTCからの献金を受け取っているのに、供述に出てこなかったことにも不満を漏らしている。
10年のサンパウロ州知事選出馬時に裏金として25万レアル(選挙裁判所への届出は50万レアル)を受け取ったと暴露されたメルカダンテ官房長官は「私は公人として、国民にはっきり説明する義務があるから米国に行かず残った。やましいことはないので、何も恐れる理由がない」と6月27日の会見で語った。
エジーニョ社会通信長官も、ジウマ大統領に対する献金だけが裏金として語られていることに違和感を覚えるとした。
オバマ米国大統領や米国投資家筋と精力的に会合を続けるジウマ大統領は6月29日、渡米以来初めて、ペッソア被告の報奨付供述に関する質問に口を開き、「私は密告者を信じない。私自身、軍事政権下で投獄され、密告者となるよう仕向けられたがそれに抵抗してきたからだ。私や選挙時の不正を取りざたするような虚偽の告発は受け入れられない」と語った。
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