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グーグル本社で記者会見に臨むジウマ大統領(Roberto Stuckert Filho/PR)
グーグル本社で記者会見に臨むジウマ大統領(Roberto Stuckert Filho/PR)

ジウマ大統領=5日間の訪米日程終える=最終日はシリコンバレー訪問=成果あったと強調するも=厳しい世論調査変わらず

 【既報関連】ジウマ大統領は1日、自ら「この上なくポジティブなものだった」と評価した5日間に渡る訪米の最終日に、世界の革新技術が集るカリフォルニア州シリコンバレーを訪れ、当地の最新科学技術を体験したと2日付伯字紙が報じている。
 同大統領はグーグル本社で自動運転車のテストモデルに試乗した他、最新ロボット工場や、米国航空宇宙局(NASA)の研究所も訪れた。
 自動運転車の試乗から降りたばかりのジウマ大統領は、1日に発表されたCNI/Ibopeの支持率調査で、民政移管以降2番目に低い9%の低支持率を記録、不支持率にいたっては民政復帰後最悪の68%だったことについて訊かれ、「今はその話は止めて。まだ未来の世界にいるの。あ~あ、未来から帰ってきちゃった」と冗談交じりに懇願した。
 ジウマ大統領は訪米中も「マラソン」同様、研究者や企業家、投資家、技術者などと続けざまに会談を行った。シリコンバレーでも、マウスやSiri(音声認識システム)を発明したSRIインターナショナル社を訪問した際に自然災害救助ロボットと対面した。
 ジウマ大統領は今回の訪米で、13年発覚の米国当局による通信傍受事件以来、2年にわたって冷え込んでいた伯米関係に終止符を打ち、経済大国米国との関係を再構築することと、技術部門で後塵を拝するブラジルが、最先端を行く米国と協力関係を結ぶことを模索していた。
 「伯米両国関係が未来においても現在においても大きな可能性を持った水準にあることを、ここに改めて宣言する」と、ジウマ大統領はグーグル本社で述べた。
 ジウマ大統領はスタンフォード大学で、科学・生物技術関連の主要企業の幹部と昼食をとった。会食には、エリック・シュミット・グーグル社CEOの他、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ氏、オンライン宿泊サービスを展開しているAirbnb社のブライアン・チェスキー氏、安価で採血、血液検査のできる注射器を発明したセラノス社のエリザベス・ホームズ女史らが出席した。
 大統領はシリコンバレーで、ブラジル民全員にブロードバンドのインターネットにアクセスする道筋を作ることを今後の課題の一つに挙げ、グーグル社でも遠隔地ネット環境をもたらす巨大風船の技術の進捗状況を尋ねた。同社は昨年、この装置をブラジルピアウイ州で試している。
 ジウマ大統領は最後にアメリカ航空宇宙局(NASA)の研究所を訪れ、ブラジル企業のエンブラエル社も含む、宇宙航空部門の企業代表と会談の時を持った。