ジウマ大統領が6月27日から7月1日の日程で訪米を終えてからまだ日も浅い4日、ウィキリークス(※、以下WL)が、米国国家安全保障局(NSL)はジウマ大統領と新旧の側近、大臣、外交官、国防関係者や大統領専用機に至るまで、29の電話番号に盗聴器を仕掛けていたと暴露したと4日付各紙サイトや5日付伯字各紙が報じた。
WLは、合計29人のブラジル政府高官の電話が盗聴の対象として選択されていたとしている。
WLの創設者ジュリアン・アサンジ氏は、ジウマ大統領がもう盗聴の対象になっていないとしても、ブラジル政府の高官などが引き続き盗聴されていないという保証はないとほのめかし、「米国大統領の『ジウマ大統領はもう盗聴されていない』という言葉を信じたとしても、他の閣僚や高官が盗聴されていれば同じこと。ジウマ大統領が1日中誰とも話さずに執務することは想像しがたい」と述べた。
米国はジウマ大統領の会話を盗聴していたのみならず、対ブラジル経済スパイキャンペーンを行っていた。WLが暴露したのは2011年発足のジウマ政権(一部は2010年12月から)での盗聴で、そのリストには当時の中銀総裁や、当時の財務省政治経済局長のネルソン・バルボーザ現企画相、当時の官房長官アントニオ・パロッシ氏ら、ブラジル経済政策の中枢を担う人物の名前が入っていた。
外交、軍事の責任者である、ルイス・アルベルト・フィゲイレド・マシャド元外相や、ジョゼ・エリート・カルヴァーリョ・シケイラ元陸軍大将の携帯電話も盗聴されていた。
また、盗聴番号のリストには、パリ、ベルリン、ジュネーブの3都市にあるブラジル大使の電話番号も入っている。
オバマ大統領はジウマ大統領訪米中に、すでにジウマ大統領は盗聴されていないことを保証しており、両首脳共に盗聴問題は既に両国間で克服された問題だとしている。
(※)06年より運営されている、匿名により政府、企業などの機密情報を公開するウェブサイト