中央銀行が6日、貯蓄預金(ポウパンサ)は上半期、380億レアルの出超で、1995年の統計開始以来、最悪の結果で終わったと発表したと6日付各紙サイトや7日付伯字紙が報じた。上半期の入金額は9096億3200万レ、出金額は9481億7400万レだった。
6月だけ見ると、入金1628億5400万レ、出金1691億1400万レで62億6100万レの出超で、6月としては過去最悪だった1999年の14億レを大幅に上回った。貯蓄預金の残額は1月以降、6カ月連続で減っており、月毎の出超額は、1月55億レ、2月63億レ、3月114億レ、4月58億レ、5月32億レとなっている。3月の114億レは、月額としては統計開始以来、最悪で、2月の63億レ、6月の62億レも、各々、2位と3位を占めている。
貯蓄預金が出超となっている原因の一つは経済基本金利(Selic)の年13・75%への引き上げだ。金利引き上げはローンや銀行融資を利用した人が返済する際の負担増を招き、貯蓄預金を取り崩す例が増える。また、基本金利の引き上げやドル高で、投資ファンドやドルなどへの投資を考える人も増えた。
もう一つの要因はインフレ昂進だ。購買力が減り、通常の所得で賄いきれない出費を貯蓄預金の取り崩しでカバーする例や、通常の出費は所得で賄えても融資の返済などの分が足りなくなる例もままある。上半期の貯蓄預金の利率は7・43%で、同期間中のインフレ率(IPCA)の8・47%を大幅に下回った。
貯蓄預金の出超は住宅関連の融資のための資金不足に繋がるため、国家通貨委員会は5月、中銀への供託金から住宅用融資に225億レを供給する事を決めている。