【既報関連】昨日付本面でも報じた、民主社会党(PSDB)党大会などでのジウマ大統領(労働者党・PT)の罷免を想定した動きに対し、ジウマ大統領はこれらの動きは「政変(クーデター)」だと批判し、政権を譲る気がないことを強調した。7日付伯字紙が報じている。
エスタード紙の報道によると、6日付伯字紙の報道を読んだジウマ大統領は6日夜、大統領府に、連立与党党首や上下両院の政党リーダーからなる連邦政府の政策審議会を緊急招集した。
大統領はさらに、ネルソン・バルボーザ企画相やルイス・イナシオ・アダムス国家総弁護庁長官などを呼び、粉飾会計疑惑に関する説明や、この日発表した雇用保護プログラムと称する暫定令(MP)についての説明などを行わせ、ブラジルが再び経済成長できるよう、協力を要請した。
また、PSDBが5日の党大会などでとった行動を「政変」と呼んだ上で、連立与党に連邦政府を支援する声明を出させることも決めた。連立与党の中には、一部勢力がジウマ大統領罷免を想定して動いている民主運動党(PMDB)も含まれているが、同党のミシェル・テメル副大統領は「わが国が国際的にも注目されている激動を迎えているこの時期に罷免など考えられない」として、同党の反ジウマ勢力の動きについては「知らない」を押し通した。
また、ジウマ大統領はエスタード紙に、「(自身の大統領選にも賄賂が使われたとの)ラヴァ・ジャットの報奨つき証言者は明確な証拠を提示すべきだ。私は選挙によって与えられたこの任期を石にかじりついてでも全うする」と語った。
さらに、同日付フォーリャ紙の独占取材に対しても、「一国の大統領をその座から追放しようとするならば、そう望むだけではなく、証拠が必要だ」「軍政時代ですら自殺しなかったのに、なぜ今、自殺しようなどと考える必要があるのか」と力強く言い切った。
他方、エスタード紙は、司法関係者にジウマ大統領の罷免の可能性について見解を聞いた記事を掲載した。
まず、2013年から高等選挙裁判所(TSE)の監察官も務めるジョアン・オタヴィオ・デ・ノローニャ高等裁判事は、6月26日に開催されたイベントで、「大統領の罷免は確実な証拠があってはじめて可能なこと」と語っている。
一方、メンサロン裁判時(2012年)に最高裁長官だったカルロス・アイレス・ブリット氏は「捜査を免除される特権を持った人間など誰もいない」とした上で、「検察や会計検査院、国民などによって制御された状況下にあるならば、〃政変という状況はありえない」と語っている。
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