今回のブログ子「幸」は、ベジタリアン歴8年です。「なぜ私がベジタリアンになったか」という説明は、あまりに長くなるので、いずれまたの機会に。とにかく日本では、ベジタリアンなんて希少人種に属します。まるで絶滅危惧種か天然記念物を見るかのような扱いをされるし、さらには「かわいそうに」とか「何でもちゃんと食べなくちゃダメでしょう!」とまで言われる始末です。
「好き嫌いではないんで」と反論するも、こちらの言い分はほぼ聞き入れてもらえず。ベジタリアンが暮らすには、まだまだ日本は厳しい!!!
ベジタリアンにも色々あるのですが、私の場合はラクトベジタリアンに入ると思います。肉や魚、魚介類などの動物性食材は、出汁さえもは一切口にしないのですが、卵や乳製品はOKです。でも、なるべくそれも少なめにはしています。
ベジタリアンの中でも“ビーガン”は卵や乳製品なども全く食べません。動物愛護活動に関わっている人になると、食べ物だけでなく皮製品や動物実験された洗剤や化粧品なども一切使わない等と徹底した人もいます。日本ではベジタリアン自体が少ない中、ビーガン人口はさらに数少ないでしょうね。
そんなベジタリアンにとって、日本ではまず外食が無理です。気楽に食べに行ける所と言えば『回転すし』です。「え? 魚じゃん!?」と思われるかもしれませんが、回転すしは食べたいものを自分で選んで食べられるんです。
かっぱ巻きや納豆巻き、山芋巻きなど、案外たくさんあるものです。それ以外の外食では、メニューを見て食べられそうなものを選ぶだけ。ただし、「これ抜きで出来ますか?」と注文すると、あっさり「出来ません」って言われたり、嫌な顔をして渋々引き受けてくれたり。日本では外食が苦痛になるのがベジタリアンの常。
そんなヤツが「主食が肉!」のようなブラジルで生活できるのか!?とお思いでしょう。何と!ブラジルにベジタリアンは多いんです。単純に人口比の問題かも知れないけれど、動物愛護活動が日本より活発なこともあってビーガンも多いんです。ベジタリアンやビーガンのレストランが沢山あるし、それ以外でもブラジルで外食に困ることはほとんどありません。
ブラジルでの外食の定番スタイルは「ブッフェ」と「ポル・キーロ」。ブッフェは一定の金額で食べ放題。ポル・キーロは重さに比例して金額が決まる形式です。ベジタリアンにとっての利点は回転すしと同じで、どちらも自分で食べたいモノを選べるという事。レストラン内にずらりと料理が並び、そこから自分でお皿に取ることが出来るので悩まなくていいんです。
またブラジルには「バール」と呼ばれる所があちこちにあり、現地人はそこでカフェ(コーヒー)を飲んだり、昼間でもビールを飲んだりしています。喫茶店という程オシャレなものでもなく、一杯飲み屋的な、でもちょっとした軽食もあったりと、ブラジル人の生活には欠かせないものです。
そんな庶民の場所にも、ベジタリアンは困らずに行けるんです! パンにチーズだけを挟んで焼いたものとか、メニューになくても言えば簡単に「ああ、出来るよ」なんて言って作ってくれます。他のレストランでも同様に、頼めば嫌な顔もせずやってくれるところがほとんど。これは有難い!!
ただし、値段はお肉入りのものと変わりません。その分安くしてもらえるのか交渉次第。そのためにはポルトガル語力が必要ですね…(ベジタリアンだけど)精進します。
さらに、色んな国の料理のレストランが存在するのも利点。日本食や中華料理はもちろん、イタリア料理、ペルー料理、アラブ料理、韓国料理など様々です。中でも中華料理店には、ベジタリアンメニューがあるので重宝しています。大豆ミートと言って大豆でお肉に似せて作られたもの、大豆で出来たハムやソーセージなどベジタリアン用の加工食品があって、中でも台湾系のレストランではそういうものを使った料理の美味しいこと!毎日でも通いたくなるくらい!!
そうそう、その大豆ミート。日本で手に入れようと思えば通信販売で買うか、極まれに健康食品店に置いてあるくらいなのですが、ブラジルではどこにでもあるスーパーで簡単に手に入ります。中国や台湾系の食品店などもあり、そこでは大豆で出来たハムなどの加工品が販売してあるので、自宅で料理するにも困りません。
ブラジル人の友人も、私がベジタリアンだと言うと普通に「食べられないものを教えて」と、外食するにも自宅で作ってくれるにも考慮してくれます。偏見もなく、普通に接してくれるのが嬉しい!
いやあ、ブラジルはベジタリアンにとっては天国ですわ!!ってしみじみ実感しています。自分は肉食系だ!という人、ベジタリアンの方が老化は遅いんですよ。それにブラジルは食の宝庫!肉を食べなくても充分栄養も摂れるし、健康的です。日本にいるベジタリアンの方もそうでない方も、すでにブラジルで暮らしている方も、ブラジルで草食生活をしてみませんか?