全世界約40カ国に拠点網を有する三菱東京UFJ銀行の「中南米総支配人」に5月15日、小池淳介氏(50、東京)が就任した。同氏は昨年、ブラジル三菱東京UFJ銀行の頭取に就任していたが、今回、兼務することになった。
就任記者会見を行った同氏は、同行の前身となる横浜正金銀行が当地に進出してから今年で97年目を迎えることに触れ、「日系移民をサポートするために進出した横浜正金銀行の〃DNA〃はしっかりと受け継いでいる。更なる百年に向けて、一段と健全で強靭な体制を構築していきたい」と決意を語った。
また、今回の就任に関して、「ブラジル・中南米業務を、世界とより深く繋げていくことが自分の役割であり、周りの期待であると思う」と述べ、「当行のグローバルネットワークやグループ力といった強みをいかにお客様へ提供していくかが鍵」と意気込んだ。
同行は、外部との連携によるネットワーク力拡充も推進しており、地場銀行との提携に加え、最近では聖、ペルナンブッコ州、ミナス・ジェライス州の各投資局との業務提携も実施。州と合同で東京、名古屋、大阪にてブラジル投資説明会を行うなど、「世界の架け橋」となるべく、様々な事業を実践している。
「他州との提携関係の拡大やグループ内企業とのブラジル・中南米での更なる連携強化など、まだまだ推進していく」と展望を明かした。
慶応大学経済学部を卒業後、88年に東京銀行に入行。ニューヨークやシカゴへ転任し、国際業務を身につけた。昨年1月、ブラジル三菱東京UFJ銀行へ副頭取として着任。同年10月に同行頭取となり、今年5月に中南米総支配人兼務、6月には本社執行役員に昇格した。
前中南米総支配人の村田俊典氏は本社参与となりブラジル三菱東京UFJ銀行に留まる。
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大柄でがっしりとした体格の小池淳介氏にスポーツ歴をたずねると「今はゴルフを嗜む程度だが、大学時代には日本初の学生オーストラリアンフットボールのチームを作り、大学リーグを組成した」とのこと。同競技は、サッカーとラグビーを合わせたようなルールで、オーストラリアでは、最も人気のあるスポーツの一つ。調べてみたところ、ラグビー場よりも広いコートを駆け回り、トップチームだと1試合で14キロ走る「世界で最も激しいスポーツ」とあって驚き。今回の就任には、そのタフさも期待されている?