8月に連邦会計検査院(TCU)が、2014年の連邦政府の「粉飾会計疑惑(ペダラーダ)」に対する最終的な判断を下す予定だが、それをめぐって、連邦政府や議会の攻防が水面下で進んでいる。11、12日付伯字紙が報じている。
6月17日にTCUは連邦政府の2014年度の会計に関して、13項目、2810億レアル分に相当する不正疑惑があるとして、ジウマ大統領に30日以内に事情説明をすることを求めた。
現状としては、連邦政府側は苦しい。TCUの判事8人の内、7人までが政府の会計操作を違反とみなしているからだ。そのうち3人は普段は連邦政府寄りの判断を下しているが、その3人が政府支持にまわり、さらに現時点では判断を決めかねているライモンド・カレイロ副院長が連邦政府側に有利な判断を下しても、やっと同点になるのがせいいっぱいだ。
12日付エスタード紙によると、連邦政府は、既に敗れたときのことを想定し、連邦最高裁に最終判断を行わせるべく、訴訟に持ち込む意向だという。政府はTCUの報告官、アウグスト・ナルデス判事が、投票が行われる前に自分の投票意思を示していることが全体の投票に影響を与えているとみなし、これを判事組織法(LOMAN)違反として訴えたいとしている。
連邦最高裁の11人の判事のうち8人は、ルーラ氏、ジウマ氏の労働者党(PT)の大統領の選出した判事で、時折PT寄りの投票を行う傾向がある。
一方、議会では「連邦政府の会計操作について監視、指導する独自機関を設立する」ための憲法補足案が浮上している。同案は連立与党のひとつ、進歩党(PP)のエドゥアルド・ダ・フォンテ下議が提出したもので、TCUがジウマ大統領に期限つきの説明を求めた6月17日に提案されている。
連邦政府の会計監査に関してはこの他にも、TCUにその権限を与え、議会と国庫庁が支援する案が2013年、TCUの判事の任期を3年とする憲法補足案が2007年に提出されている。
エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)は、現在休会中の本会議が8月に再開次第、TCU審査後も議会審査が行われていない連邦政府会計(1990年~2013年)承認の可否を審査するつもりで準備を進めている。
同議長としては、TCUが14年の連邦政府会計のペダラーダに対する判断を下し次第、議会での審査をはじめる意向だが、年度順の審査か、14年度会計優先かは、本会議での動議提出とその後の決議次第だという。同議長はレナン・カリェイロス上院議長(PMDB)とも話し合い、審査の手順を決める意向だ。連邦政府会計は両院合同委員会で図った後、下院、上院の順で審査し、その結果が発表される。