サンパウロ市交通工学公社(CET)によると、サンパウロ市では14年、2万8635人が交通事故で死傷した。この数は13年の3万1085人より少ないが、死者だけみると13年の1152人が1249人に8・4%増えたと15日付エスタード紙が報じている。
ブラジル交通医学協会(ABMT)のロドリゲス・アウヴェス氏は、この数字は「驚くほど酷い」とし、サンパウロ市のドライバーは「車を動かすことは知っていても運転しているとは言えない」と、運転マナーの低さを嘆いた。
同氏によれば、歩行者や自転車走行者、バイク運転手の振る舞いも交通事故多発の原因だ。歩行中や走行中の携帯電話使用は、運転手の安全教育の不足と共に、死傷事故の発生率を高めている。
サンパウロ大学(USP)交通工学のオラリオ・アウグスト・フィゲイラ教授は、運転手は罰金1回に付、4千回の違反を犯しているという。
サンパウロ市市役所は交通事故を減らすため、マルジナル・ピニェイロスと同チエテの制限時速を20日から、アウトバーンは90キロから70キロ、一般車線も70キロから50キロに引き下げる。ハダジ市長によれば、CETは事故回避のため、歩行者用レーンと信号機の増設も検討中だという。