【既報関連】ラヴァ・ジャット作戦の褒賞付き証言で、自分への賄賂疑惑が出たことに激怒し、17日に連邦政府との絶縁宣言を行なったエドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)は早速、連邦政府への報復とでも言うべき、三つの議会調査委員会(CPI)の設置を明言した。だが、同議長への風当たりは強く、連邦警察も同議長への捜査を進める予定だ。18~20日付伯字紙が報じている。
クーニャ議長は17日午前に行なった連邦政府への絶縁宣言の記者会見で、社会経済開発銀行(BNDES)による違法な企業融資など三つのCPIに加え、国営企業の年金基金の不正を調査する委員会も設置すると明言した。三つのうち二つ目は動物虐待に関するもの、三つ目はサイバー犯罪に関するもの。
以前から与党有力政治家が違法な影響力をBNDESに行使して、特定の企業に有利な不正融資を行っているとの疑惑がもたれていた。「ペトロロン以上の可能性」を指摘するメディアもある。
CPIはいっぺんに五つしか同時進行できない規制がある。すでに進行中のものを終わらせ、リストの順位を変えて、議会が再開する8月にこれらを最優先で設置する予定だという。
ただでさえ、8月に連邦会計検査院(TCU)が連邦政府の14年度会計に対する粉飾会計だったかどうかの判断を行なうことになっている。ここで「違反」と正式に判定されれば、野党側が臨むジウマ大統領の罷免法案提出にもつながりかねない。そのタイミングでのCIP設置だけに、連邦政府にとって心配のタネだ。
ミシェル・テメル副大統領はクーニャ氏の発言に関し、「個人的なものであり、PMDBの党としての意思ではない」と明言し、擁護を避けた。
500万米ドルの賄賂を強要し受け取ったとの疑惑が、16日に報奨付き証言で浮上したクーニャ議長の立場が苦しいことに変わりはない。
労働者党(PT)寄りの左翼政党のみならず、DEM(民主党)やキリスト教社会党(PSC)の下院議員からも「議長をつとめる状態にはない」との判断から、ラヴァ・ジャットの件が収まるまでの間、議長職を辞任するよう求める声もあがっている。クーニャ氏が新設するCPIを進めたところで、議長職を継続できるかどうかは疑問のようだ。
連警もクーニャ氏への捜査の手を緩めることはなさそうだ。19日付伯字紙によると連警は、ペトロブラスの元国際部長のネストル・セルヴェロー被告やPMDBのロビイストのフェルナンド・バイアーノ被告が国外で作った秘密口座を調べ、クーニャ氏への贈賄の証拠をつかみたい模様だ。
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