辛らつなコメントを吐くことで人気が高い有名ニュースキャスター「ダテナ」こと、ジョゼ・ルイス・ダテナ(57)が、大型政党3党から2016年のサンパウロ市長選立候補の打診を受けていたことがわかった。
ダテナは2003年からキャスターをつとめる報道番組「ブラジル・ウルジェンチ」(11年からバンデイランテス局。それ以前はレコルデ局)を持ち、現在まで10年以上にわたって夕方の〃茶の間の顔〃ともいえる存在になっている。
歯に衣を着せない政治的発言をすると同時に、敬虔なキリスト教徒であるがゆえに、女装者が撲殺された事件に関し「神を信じないからこうした犯罪が増える」と差別発言を行ない、物議をかもした経験もある。
かと思えば、14年のW杯でブラジルが優勝できなかったことの罰ゲームとして、番組に下半身を下着ひとつで出演するという、茶目っ気のあるところも見せている。
そのダテナは先週、サンパウロ市にある州庁舎に2回出向いている。うち1回は、ジェラウド・アウキミン知事(民主社会党・PSDB)の部下2人に会い、もう1回は知事たちと食事にでかけた。
そのときにダテナは、マルシオ・フランサ副知事(ブラジル社会党・PSB)にも会っているが、その昼食を取り持ったのがサンパウロ州議員のデレガド・オリム氏(進歩党・PP)だった。そのときの模様は明らかにされていないが、3者それぞれから何らかの打診があったようだ。
ダテナの市長選出馬に関してはニュース・サイトUOLのコラムニストが21日に報じたのが最初。ダテナは打診を受けたことを認めており、「まだ考えている段階だ」とし、政党名の言及も避けた。
また、ダテナは立候補以前に番組を去るかどうかも決めておらず、さらに膵臓の半分、脾臓の全てを摘出するなど健康面にも問題を抱えている。
ただ、仮に立候補するとなると、現在低い支持率にあえぐフェルナンド・ハダジ市長(労働者党・PT)と、前回12年の選挙で3位と健闘した、ダテナの古巣であるレコルデ局のキャスター出身のセウソ・ルッソマノ下院議員(ブラジル共和党・PRB)との争いになる。
またPSDB、PSB、PPはいずれも議員数で7位以内に入る政党。特にPSDBは現在まで21年間、サンパウロ州知事を独占している。
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